2005.1.8
第89回放送分『花粉症』 ゲスト:鯵坂 孝二ドクター


二見いすず: 今月は『花粉症』について伺って参ります。
お話しは、鹿児島県医師会の鯵坂 孝二(あじさか こうじ)ドクター です。
鯵坂さん、よろしくお願い致します。

鰺坂 孝二Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 全国的には、昨年のスギ花粉の飛散量は少なかったようですが、今年はどのような予測が出ているんでしょうか。

鰺坂 孝二Dr: 2003年の夏は冷夏で、全国的には少なかったものの鹿児島地方はさほどの冷夏ではなく、昨年は例年の倍くらいの観測がありました。
今年は2004年の記録的な猛暑の影響で、全国的には10倍から、所によっては30倍くらいの花粉が飛散するのではと予測されています。
鹿児島県では昨年の倍くらいだろうと思われます。

二見いすず: 暑い夏の翌年は花粉がたくさん飛ぶということですか。

鰺坂 孝二Dr: はい。
その通りです。
作られる花粉の量は、前の年の夏の温度と日照量に左右されると言われています。
そして、花粉の飛散する量はその日の気温や湿度や風により増減します。
新聞・テレビ・ラジオ等の花粉情報を参考にされるとよいかと思います。

二見いすず: 昨年は秋にもスギ花粉が飛んだと聞きましたが。

鰺坂 孝二Dr: ええ。
秋になって、一時的に涼しくなり、その後、また暑い日が続いたために一部の花粉が飛んだものと思われます。
10月〜11月にかけて、アレルギー性鼻炎の患者さんが例年になく多く外来を訪れていました。

二見いすず: そうですか。
ところで、そもそも花粉症というのはどのような病気でしょうか。

鰺坂 孝二Dr: 体が異物に対して病的に過敏な症状を呈するのがアレルギーで、その原因となる物質が花粉の場合を花粉症といいます。
そして、原因となる花粉がスギの場合をスギ花粉症というわけです。
スギ以外には、ヒノキやカモガヤ、ブタクサ等が原因となる場合が多いのですが、どんな植物の花粉でもアレルギーを引き起こす可能性はあります。
また、スギ花粉症の6割〜7割の人たちが、ヒノキに対してもアレルギーの症状を呈するといわれています。
今年は、ヒノキの花粉も多いと予想されているのでその分、花粉症に悩まされる期間が長くなりそうです。

二見いすず: アレルギーが鼻で起こった場合のことを教えて下さい。

鰺坂 孝二Dr: 主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりです。
即ち、連発するくしゃみ、水っぽい鼻水、そして鼻の粘膜が腫れるための鼻詰まりです。
これらはすべてアレルギーの原因となる物質を鼻から排除しようとするための体の反応なんです。
くしゃみで吹き飛ばし、鼻水で洗い流し、鼻詰まりで鼻に蓋をするといった具合です。

二見いすず: 不快な症状ですけれども、合理的な反応と言えるわけですね。

鰺坂 孝二Dr: はい。
その他に鼻のむずがゆさや頭痛、頭重感、鼻をいじるために鼻血が出やすいといったような症状があります。

二見いすず: わかりました。
続きは、また来週どうぞよろしくお願い致します。
お話は、鹿児島県医師会の鯵坂 孝二(あじさか こうじ)ドクターでした。