2005.1.22
第91回放送分『花粉症』 ゲスト:鯵坂 孝二ドクター


二見いすず: 今月は『花粉症』について伺っております。
お話しは、鹿児島県医師会の鯵坂 孝二(あじさか こうじ)ドクター です。
鯵坂さん、今週もよろしくお願い致します。

鰺坂 孝二Dr: はい。
よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週花粉症の予防について伺いましたが、今週は治療法についてどのようなものがあるのかお聞きしたいと思います。

鰺坂 孝二Dr: はい。
まずは耳鼻科を受診して診察、必要なら検査をしていただき本当にアレルギーなのか、あるいは蓄膿などの他の病気も隠れていないかを確かめるのがよいかと思います。

二見いすず: 検査と聞きますと面倒だなあと思われるかもしれませんが、早くよくなる近道ということですよね。

鰺坂 孝二Dr: はい。
そして、花粉症と診断されたら、外来で鼻処置と、鼻ネブライザーといってお薬を霧状にしたものを鼻から吸い込む治療をするのが一般的です。
併せて内服薬や直接鼻の中に噴霧するような点鼻薬をいただくわけですが、これには実に様々な種類のお薬があります。
現在、他の病気で飲んでいる薬があってそれらと一緒に飲まない方がよい場合や、風邪薬等で眠気の起こりやすい人には使用しない方がいい場合等、色々なことが考えられ、それらを全て考慮してお医者さんは薬を処方するわけです。

二見いすず: 患者さん自身は、どのお薬がいいかということは判断しかねますよね。

鰺坂 孝二Dr: その通りです。
そして、実際には薬の効果には、個人差がありますので、飲んでみないとどのお薬がどれぐらい効くかわからないといった面もあります。
最近は、花粉の飛び始める1、2週間前から予防的に薬を飲み始めると症状も出にくく、出ても軽くてすむといわれています。
患者さんの中にも、花粉情報を参考にして早めに受診される方が増えてきているようです。

二見いすず: そして、ステロイド剤というお薬の名前も耳にいたしますが。

鰺坂 孝二Dr: 主に症状が強くなってから使用するお薬ですが、内服を長期間続けることはないと思います。
点鼻薬でも、使用しすぎるとその反動でかえって調子が悪くなることがありますので、注意が必要です。

二見いすず: その内服薬や点鼻薬以外にはどんな治療法があるんでしょうか。

鰺坂 孝二Dr: はい。
体質改善の注射は、かなり効果があるといわれていますが、長期間にわたって、何度も注射を繰り返す必要があり、ショックを起こす可能性がある等で、この治療法をやっている病院は限られてきているようです。
アレルギーは鼻の粘膜で起こるわけですから、この粘膜を骨ごと切り取る手術やレーザーで粘膜を焼く方法もあります。
病院によっては、ブロック注射をしてアレルギー反応を起こしにくくする方法もあります。
さらに、温熱方法といって、薬を使用せず、体温よりも高めに加温された水蒸気を鼻から吸い込むような治療法があります。
これは、家庭でも出来る治療法で、器具が電化製品の健康器具コーナー等で販売されています。

二見いすず: いずれにしましても、花粉症がご心配な方は病院の先生と相談されることが大切だと思います。
来週もどうぞよろしくお願い致します。

鰺坂 孝二Dr: はい。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の鯵坂 孝二(あじさか こうじ)ドクターでした。