2005.1.29
第92回放送分『花粉症』 ゲスト:鯵坂 孝二ドクター


二見いすず: 今月は『花粉症』について伺っております。
お話しは、鹿児島県医師会の鯵坂 孝二(あじさか こうじ)ドクター です。
鯵坂さん、今週もよろしくどうぞお願い致します。

鰺坂 孝二Dr: はい。
よろしくお願い致します。

二見いすず: さて、三週にわたって今年のスギ花粉飛散量の予想や花粉症の症状、予防法、治療法等について伺って参りましたが、最終週の今日はまとめということでお願いできますでしょうか。

鰺坂 孝二Dr: はい。
鼻から入ってきた異物を排出するための過敏な反応をアレルギーといい、その原因となる異物が花粉の場合を花粉症といいます。
春先には、スギやヒノキの花粉がアレルギーの原因となることが多く、今年は例年になく多量の花粉が予想されているので注意が必要です。

二見いすず: 症状は風邪等の呼吸器の感染症とも似ているような気がしますが。

鰺坂 孝二Dr: はい。
花粉症の症状は、主にくしゃみ、鼻水、鼻詰まりですが、熱や痛みを伴うことはあまりありません。
鼻水も膿性の汚いものではなくて、いわゆる水洟でお布団に入った直後や、朝の起きがけに調子が悪くなることが多いようです。
花粉症の人が風邪を引くと、アレルギーのない人に比べて、症状が激しかったり長引いたりしやすく、他の病気が隠れていることもありますので、耳鼻科での診察加療をお勧めいたします。

二見いすず: では、花粉症にならないためのよい方法があるでしょうか。

鰺坂 孝二Dr: はい。
花粉を吸い込まなければ症状が出ないわけですが、全く吸わないということは出来ませんので、少しでも接する量を減らすために、マスクやメガネ、花粉が付着しにくい素材の帽子や服を着用するのがよいと思います。
何より、花粉情報を参考にして、花粉の飛散量が多いときには、外出を控えるのが得策だと思います。

二見いすず: はい。
お薬については、いかがでしょうか。

鰺坂 孝二Dr: はい。
アレルギーの反応ですから、一回お薬を飲んだから治って二度と症状が出なくなるということはありません。
症状は出にくく、出ても軽くてすむようにという考えで、早めの耳鼻科での診察、加療、内服の開始をお勧めします。
内服薬や点鼻薬にはいろいろな種類のものがありますので、どれが自分に好ましいかは勝手に判断せず、病院の先生と相談のうえ、決めてほしいと思います。

二見いすず: お薬以外の治療法はいかがですか。

鰺坂 孝二Dr: はい。
体質改善の注射、鼻の粘膜を切る手術、レーザー照射、ブロック注射、温熱療法等がありますが、いずれも病院の先生とよく話し合って自分にあった治療法を選択するのが望ましいです。
最近特に、ディーゼル車の排気ガスの多い地域では、アレルギーの症状が強くなることがわかってきました。
つまり、大気汚染も花粉症に関わってきているので、この病気を克服するためには社会的な取り組みも必要だということです。

二見いすず: はい。
わかりました。
花粉症でつらい思いをしていらっしゃる方は多いと思いますが、早めに耳鼻科を尋ねていただくのがいいと思います。
鯵坂さん、4週にわたりまして貴重なお話どうもありがとうございました。

鰺坂 孝二Dr: こちらこそ、お世話になりました。
失礼いたします。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の鯵坂 孝二(あじさか こうじ)ドクターでした。