2006.3.4
第149回放送分『小児救急』 ゲスト:野口 啓幸ドクター


二見いすず: 『今月は『小児外科の中の救急医療』について、鹿児島県医師会の野口啓幸(のぐち・ひろゆき)ドクターにお話を伺います。
野口さん、どうぞよろしくお願いします。』

野口 啓幸Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『小児外科という診療科について、あまり耳にしたことはなかったのですが、子ども専門の外科ということですね』

野口 啓幸Dr: 『小児とは一般に0歳から16歳未満の子どもとされています。
つまり小児外科では、新生児期から思春期までの子どもさんを対象とした、外科的疾患を治療する診療科です。
「こどもはおとなのミニチュアではない」とよく言われますが、子どもは、おとなに比べて体が小さく、とくに新生児には、非常に繊細な手術のテクニックが必要です。
さらに成長発育に伴って、体の機能はどんどん変化していきますし、きめ細やかな精神的・心理的ケアも必要です。
このような子どもの特徴を十分に把握した上で、手術や前後の治療にあたるのが小児外科というわけです。』

二見いすず: 『具体的には、どんな病気を治療されるのですか?』

野口 啓幸Dr: 『消化器、呼吸器、泌尿生殖器など、心臓と脳と骨以外の臓器の外科的疾患はほとんど診ます。
例えば交通事故などによる内臓の損傷や異物誤飲の治療のほか、虫垂炎、あるいは新生児の先天性疾患の手術などを行っております。』

二見いすず: 『県内では小児外科はどこに設置されているのですか?』

野口 啓幸Dr: 『大きな施設としては、鹿児島大学病院と鹿児島市立病院に独立した診療科として設置されています。
市立病院には新生児センターもありますので、新生児の場合は、協力体制をとりながら治療に当たります』

二見いすず: 『事故などの場合は、救急車で搬送されると思いますが、急病の場合、とくにまだ言葉も話せない赤ちゃんなどは、小児科なのか小児外科なのか、家庭での判断は難しいように思います。』

野口 啓幸Dr: 『もし判断に迷った場合は、かかりつけの小児科や産科にまずは相談していただきたいと思います。
必要な場合は、小児外科へ紹介、ということになると思います。』

二見いすず: 『では来週は、小児医療についてもう少し具体的にお伺いしたいと思います。
野口さん、今日はどうもありがとうございました。』

野口 啓幸Dr: 『ありがとうございました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の野口啓幸(のぐち・ひろゆき)ドクターでした。』