2006.3.18
第151回放送分『小児救急』 ゲスト:野口 啓幸ドクター


二見いすず: 『今月は『小児外科の中の救急医療』について、鹿児島県医師会の野口啓幸(のぐち・ひろゆき)ドクターにお話を伺っています。
野口さん、どうぞよろしくお願いします。』

野口 啓幸Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『先週は、子どものケガの特徴と異物誤飲のお話を伺いましたが、たばこの誤飲の例も多いですか?』

野口 啓幸Dr: 『たばこそのものは、大量に食べられる味ではないので、子どもが誤飲することは少ないのですが、たばこが入っていた飲料などを飲むことのないよう、おとなが気を配ってほしいと思います。
先週、ボタン電池の話をしましたが、そのほか、小さな磁石を複数個飲み込んだ場合、腸がその磁力で癒着して穴があくことがありますので、この場合も早めの処置が必要です。』

二見いすず: 『小さな子どもさんがいる場合は、とくに注意が必要ですね。
このほか、気を付けないといけない、子どもの症状について教えてください。』

野口 啓幸Dr: 『赤ちゃんの代表的な病気で、緊急な治療を要する病気の一つに「腸重積症」という疾患があります。
腸が腸に入り込むような状態になって放っておくと腸が壊死してしまいますので、できるだけ早期に治療することが望ましいとされています。』

二見いすず: 『症状について説明ができない赤ちゃんの場合、腸重積症であるかどうかを判断する目安は、どのような症状でしょうか。』

野口 啓幸Dr: 『腹痛・不機嫌、吐く、そして血便という症状が顕れたら要注意です。
赤ちゃんはいろんなことで不機嫌になりますが、この病気の場合は間欠的に痛みが発生するので、ぐずり方、泣き方に波があることが多いです。
また急性虫垂炎もよくみられる病気です。
子どもは感染防御機能が、まだ不十分で虫垂壁が薄いため、炎症の進行が早く、重症化してしまう場合もあります。
やはり、症状を自分でうまく説明できない小さな子どもの場合、家族が様子を観察して、医師に伝えることが、迅速で正確な診断につながると思います。』

二見いすず: 『覚えておきたい子どもの急病ですね。
では、時間が参りましたので、赤ちゃんの救急医療について、引き続き来週も、お伺いしたいと思います。』

野口 啓幸Dr: 『はい、わかりました。』

二見いすず: 『お話は鹿児島県医師会の野口啓幸(のぐち・ひろゆき)ドクターでした。』