2006.5.6
第158回放送分『五月病』 ゲスト:上山 健一ドクター


二見いすず: 『五月に入り、入学・入社、転勤などがあった方は、新しい環境にそろそろ馴染んできたころでしょうか。
今月は、この時期によく耳にします「五月病」という病気について、鹿児島県医師会の上山健一(うえやまけんいち)ドクターにお話を伺ってまいります。
よろしくお願いいたします。』

上山 健一Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『まず、「五月病」とよく耳にするのですが、どういう病気のことを言うのか、お話いただけますか?』

上山 健一Dr: 『はい。新しい学校や職場に入り、環境の変化にうまく適応できない状態からくる症状を「五月病」と言います。
受験を例にしますと、志望校を定め、一生懸命、一定期間の努力されて合格し、本人も家族も大喜びで憧れの新生活をスタートするのが4月です。
夢や希望を持って新しい生活を始めてみたものの、ひと月くらい経った5月ごろ、現実の生活と憧れとのギャップに不満を感じたり、何か自分とそぐわないものがあることに気づいたとき、無気力や睡眠不足になったり、気分が晴れなかったりする状態に陥ってしまうことを言います。』

二見いすず: 『ちょうどそういう症状がでる頃が5月ごろに多いから「五月病」なのですね。
ということは、この時期に限らず、6月でも7月でも「五月病」と呼ぶのでしょうか。』

上山 健一Dr: 『はい。環境が大きく変化し、そこに適応できない症状を総称して「五月病」と呼んでおり、時期は5月とは限定されていないんですよ。
医学的には、「適応障害」という診断になります。』

二見いすず: 『なるほど。
では、「五月病」は、無気力状態や気分が晴れなかったり、という精神的なことのほかに、身体的な症状としてもあらわれることはありますか?』

上山 健一Dr: 『身体的には、食欲がなく、頭痛、吐き気、だるさ、めまい、そういったものが見られます。
ご自分はもちろんですが、ご家族の環境に変化があったときに、精神的、身体的にこのような症状が見られたら、「もしかしたら五月病かも…」と考えてみてもいいかもしれません。』

二見いすず: 『「うつ病」の症状と似ているような気がするのですが、そのあたりはいかがなんでしょうか?』

上山 健一Dr: 『そうですね。軽いうつ病というところでしょうか。
本当のうつ病に進展しないようにするためにも、心の持ち方のポイントがいくつかあります。』

二見いすず: 『はい、わかりました。
では、そのあたりのポイントなども含めて、来週以降も「五月病」について詳しく伺いたいと思います。
上山さん、ありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。』

上山 健一Dr: 『よろしくお願いいたします。』

二見いすず: 『来週もよろしくお願いいたします。』