2006.5.20
第160回放送分『五月病』 ゲスト:上山 健一ドクター


二見いすず: 『今の時期に起こりやすい「五月病」について、鹿児島県医師会の上山健一(うえやまけんいち)ドクターにお話を伺っています。
上山さん、今週もよろしくお願いいたします。』

上山 健一Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『「五月病」にかかってしまったら、どう対処したらいいのかお話いただけますでしょうか。』

上山 健一Dr: 『はい。「五月病」は、環境の変化によるストレスが原因ですので、環境を変えることができれば、これらの症状は改善します。
しかし、新しく入った学校や会社を辞めてしまうというのも、現実的にはなかなか難しい場合も多いですよね。
そうであれば、ご本人の認識を変える必要がありますね。』

二見いすず: 『ということは、考え方を変えてみるということですね。
では、具体的には、どのようにしたらいいのでしょうか?』

上山 健一Dr: 『例えば、ストレスを感じている問題について、友人や先輩に相談してみたり、休日に気の合う仲間と自然に触れあってリフレッシュしたり、スポーツや音楽などの趣味の世界を思いっきり楽しむということなどもいいと思います。
そして、気持の整理がついたら、新しい目標を考えてみたらいいと思います。』

二見いすず: 『まずは、明るい気持ちになれるように、楽しいと思える時間をたくさん作ること、そして前向きに行動することでしょうか。
それから、小さな目標を作って、少しずつ進んでいけばいいのでしょうね。』

上山 健一Dr: 『そうですね。
家族や友人が「五月病」になってしまった場合についてですが、応援するつもりで「根性が足りない」とか、「怠けている」などと、叱咤激励するのは、かえって逆効果のことが多いと思います。
ご本人は「頑張りたくても頑張れない」という辛い状態だということを理解して、そっと見守り、相談に乗ってあげてほしいですね。』

二見いすず: 『専門家であるドクターに相談したり、あるいは軽い症状のうちであれば、家族や友人に話を聞いてもらうだけでも、ずいぶん楽になるかもしれませんね。』

上山 健一Dr: 『愚痴を聞いてくれる人がいるということは、実はとても大切なことなのです。
いろいろな話をしているうちに「問題点はなにか」「何が自分にとって大切なことなのか」など、自然に現状分析ができて、冷静に自分を見つめなおすきっかけにもなるのです。』

二見いすず: 『真面目な人ほど、「自分で何とかしなければ・・・」と焦ってしまいそうですよね。
焦りの悪循環に陥ってしまわないためにも、客観的に自分を見つめるきっかけを作ることは大切かもしれません。
まず、人に聞いてもらうということは、一番手軽で大切なことかもしれません。』

上山 健一Dr: 『そうですね。』

二見いすず: 『今週も「五月病」についてお話いただきました。
まわりの皆さんは、「頑張ってね」という言葉は控えて、ゆっくりと受け止めてあげてください。
来週もよろしくお願い致します。
ありがとうございました。』

上山 健一Dr: 『ありがとうございました。』