2006.5.27
第161回放送分『五月病』 ゲスト:上山 健一ドクター


二見いすず: 『今月は、新生活が始まってしばらくたった今の時期に起こりやすい「五月病」について、鹿児島県医師会の上山健一(うえやまけんいち)ドクターにお話を伺っています。
よろしくお願いいたします。』

上山 健一Dr: 『よろしくお願いします。』

二見いすず: 『最終日の今日は、五月病を防ぐために、毎日の生活の中で気をつけたいことについて伺いたいのですが、いかがでしょうか?』

上山 健一Dr: 『はい。「五月病」を防ぐためには、日頃からストレス解消を心掛けておくことが大切です。
スポーツ、音楽、読書など、自分に合った楽しみを見つけていただきたいものです。』

二見いすず: 『ときどき、お酒を飲んでストレス解消する、という方もいらっしゃるようですが、これはいかがですか?』

上山 健一Dr: 『ストレス発散の目的で適度なアルコールを楽しむのは問題ありませんが、度を超してしまうと、「アルコール依存症」という精神的な病気にかかってしまうことがあります。
また、ギャンブルの魅力にはまり、「ギャンブル依存症」になってしまう方もいますので、こちらも注意が必要です。』

二見いすず: 『ストレス解消のためとは言っても、依存症になってしまっては、大変なことになります。
何ごとも適度に、ほどほどに、ということを意識することが大切ですね。』

上山 健一Dr: 『そうですね。人は生きている以上、さまざまな状況の中で、誰にでもストレスはあるものです。
精神的な平安というものは絶えず脅かされています。
生きるということは、不安と共にあると言っても過言ではありません。
だから、ご自分だけが不幸だとか、恵まれていないなどと考えず、ストレスがあることは当たり前だと思って、上手に付き合っていく姿勢でいてほしいですね。』

二見いすず: 『確かに、ストレスのない人っていないかもしれませんね。
ストレスは誰にでもあるということを前提にすれば、どうつきあっていくか、ということを考えられるかもしれませんよね。』

上山 健一Dr: 『はい。ストレスは、その状況をどのように乗り越えていくかということで、人間的に成長していけるチャンスでもあるのです。
「可愛い子には旅をさせよ」とか「若い時の苦労は勝ってでもせよ」などという言葉もありますが、ストレスを必ずしも悪者とせず、前向きに付き合えば、きっと乗り越えられると思いますよ。
例えば、「釣りバカ日誌」の浜ちゃんなどは、危機的状況になっても、スイスイクリアしていきますよね。』

二見いすず: 『分かりやすい、キャラクターですよね。
そう考えると、気持が楽になってまいります。
新しい環境の変化は確かに大変かもしれませんが、自分を見つめなおし、成長するチャンスとしてとらえたらいいかもしれません。
また、自分で考えているだけでは不安に思ったら、ぜひ専門医の診察を受けて、元気になる糸口を探すことも大切ですよね。』

上山 健一Dr: 『そうですね。ひとりで抱え込まず、医師や家族、友人と共に、前向きに考えていただきたいですね。』

二見いすず: 『4週にわたり、「五月病」についての貴重なお話をありがとうございました。』

上山 健一Dr: 『ありがとうございました。』