2006.8.5
第171回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター


二見いすず: 8月になりました。
暑い日が続いていますね。
さて今月は、この時期に起こりやすい「熱中症」について、鹿児島県医師会の有村敏明(ありむらとしあき)ドクターにお話を伺ってまいります。
有村さんよろしくお願いいたします。

有村 敏明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今の時期は、外に出るとぐったりしてしまうくらい暑い日も多いですが・・・。
熱中症とは、やはりこの暑さに関係しているのでしょうか。

有村 敏明Dr: はい。やはり発生は夏が多いです。
気温が30℃以上になると発生しやすいと言われています。

二見いすず: 一日のうちで発生しやすい時間帯というのはあるのでしょうか。

有村 敏明Dr: 時間帯は、午前中は10時頃、午後は1時から2時ごろに発生することが多いようです。

二見いすず: そもそも熱中症とはどういう病気ですか?

有村 敏明Dr: 熱中症は、暑い場所に長時間いた場合や運動などによって、体内でたくさんの熱が作られることで発症する病気です。
体温が上がると、普通の体温に戻そうとして体が反応します。
その反応が、脱水症状や痙攣を引き起こし、ひどい場合は、体温が40度くらいまで上がり、おしっこが出ない、息が苦しくなるというような臓器の症状にまで進んでしまうこともあります。
これは命にも関わる重大な状況ですので、厳重な注意が必要です。

二見いすず: えっ、体温が40度と聞いただけでも、体にはすごいダメージがあるんだろうなと思うのですが・・・。
暑さが原因の熱中症で死に至る場合もあるということですよね。

有村 敏明Dr: その通りです。
熱中症には3つの段階があると我々は考えています。
軽いものから熱痙攣、熱疲労そして、最も重いのが熱射病となります。
一般的によく耳にする日射病ですが、これは熱中症の前段階であり、深刻な状況にはならないと考えています。
しかし、一旦熱射病になると大変深刻な状態にいたる可能性もあることは知っておいていただきたいものです。

二見いすず: 分かりました。
では、熱中症はどのような症状が出るのでしょうか。

有村 敏明Dr: はい。
まず軽いものだと汗が大量に出てしまったときの脱水症状がおこります。
そして、手足やお腹が痙攣する症状、そしてさらに重くなると、失神、めまい、疲労感、嘔吐などのいくつもの症状が出てまいります。
さらに重症になると、意識障害、おかしな行動やうわごとなどの言動、息が非常に早くなる過呼吸、血圧が下がるショック症状などが起こってきます。

二見いすず: なるほど。
熱中症と一口に言っても、さまざまな症状があるのですね。
来週は熱中症になった場合の具体的な対処について伺います。

有村 敏明Dr: ありがとうございました。