2006.8.19
第173回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター


二見いすず: 今月は「熱中症」について、鹿児島県医師会の有村敏明(ありむらとしあき)ドクターにお話を伺っております。
有村さんよろしくお願いいたします。

有村 敏明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週、先々週と、熱中症の症状や予防、応急処置などについて伺いました。
熱中症は体力なども関係してくると思うのですが、やはり子どもやお年寄りに多いのでしょうか。

有村 敏明Dr: はい。その通りです。
まずは子どもについてお話します。大変残念なことですが、子どもを車に放置して死亡する事件が、毎年のようにくり返されます。
これは、炎天下の車中温度が上がってしまったことによる熱中症が原因です。

二見いすず: ほんの少しの間だから、とお買い物に行ったり、用事を済ましたり、というケースも多いようですね。

有村 敏明Dr: はい。
真夏の直射日光を受けた車の中の温度は、閉め切っていてエアコンもない場合は、短時間で異常な高温になってしまいます。
「ちょっとの時間ならいいかな…」と放置するのはもってのほかです。
高温にさらされた子どもは、体温の上昇で中枢機能に異常をきたし、最悪のケースでは臓器不全で死に至ってしまうのです。

二見いすず: 小さいお子さんというのは症状の進み方が早いのですか?

有村 敏明Dr: はい。
我々が思っている以上に非常に早いと思います。
ですから、すぐに病院へつれていかなければならない、と思っています。

二見いすず: そんな痛ましいことは決してあってはならないことです。
子どもというと、夏休みで外遊びをする子も多いと思いますが、そんなときに気をつけることはありますか。

有村 敏明Dr: そうですね。
炎天下で遊ぶときには帽子をかぶせてあげるといいでしょう。
また、お子さんの様子をちゃんと見ておくのも大切です。
疲れの度合いを見ながら休憩をとらせたり、子供ですからすぐに外へ遊びに行きたがりますが、疲れているときは今日は待ちなさい、と親が注意してあげることも大切だと思います。

二見いすず: 様子を見ておくというのが大切ですね。
また、お年寄りも多いとおっしゃっていましたが・・・。

有村 敏明Dr: そうですね。
高齢者は体力が弱まっている上に、体温調節機能が低下しているということ、また、脱水症状などについての自覚症状が薄いので水分補給が不足しがちだということなどが、熱中症になりやすい原因として考えられます。
お年寄りの場合は、炎天下だけではなく、室内での発生もありますので、室温にも注意して、通風なども心掛けてください。

二見いすず: お部屋の中にいるから大丈夫ということはお年寄りに限っては、ないわけですね。
応急処置としては、子どももお年寄りも、水分補給と休息などになりますでしょうか。

有村 敏明Dr: そうですね。
それでも元気が回復しないようでしたら、早急に医療機関へ連れて行ってあげてください。

二見いすず: よくわかりました。
有村さん、今週もありがとうございました。

有村 敏明Dr: ありがとうございました。