2006.9.9
第176回放送分『スポーツ外傷とスポーツ障害』 ゲスト:橋口兼久ドクター


二見いすず: 今月は、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐちかねひさ)ドクターをゲストにお迎えして「スポーツ外傷とスポーツ障害」をテーマにお話を伺っております。
橋口さん、今日もよろしくお願いいたします。

橋口 兼久Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: さて、そろそろ学校や地域の運動会があちこちで開かれるころになりました。
今日は、スポーツ外傷の応急手当と治療についてお伺いしたいと思います。

橋口 兼久Dr: 9月になりますとあちこちで運動会がはじまりますね。
この時期、運動会で張り切りすぎて、はだしで走って足の裏が水ぶくれになってしまったり、家族リレーなどで普段走っていないお父さんの足がもつれて転んでしまったりということがよくあります。
運動会の前日には楽しみで眠れない、という子どもさんもいらっしゃると思いますが、できるだけ早めに床に就いて睡眠をしっかりとり、当日の準備運動も手抜きせずにしっかり体をほぐすことが大切です。
まだまだ暑いですので、熱中症にならないように水分補給も大切です。

二見いすず: せっかくの運動会ですからケガをしないで楽しんでいただきたいですよね。

橋口 兼久Dr: そうですね。
それでも、擦り傷、切り傷などでケガをした場合には、まず傷口を清潔にすることが大切です。
水道水で土や砂を十分に洗い流してください。
出血がある場合はガーゼやティッシュペーパーを数枚重ねて、しばらく圧迫して、医療機関を受診してください。
救護所がある場合は、すぐに行って担当の養護教諭やドクター、看護師さんにケアしてもらいましょう。
市販の消毒薬を漫然と使っていますと、ケガの治りが遅かったり、アレルギーを起こす場合もありますので、注意が必要です。
また、捻挫や骨折など大きなケガの場合も、まずは救護所へ。
それから早急に専門医の診察を受けてください。

二見いすず: 素人判断をしてはいけないんですね。

橋口 兼久Dr: そうですね。
また、捻挫や打ち身などの場合は、まずは安静にして冷やしてください。
ケガをした直後にマッサージしたり、温めてはいけません。
また、「突き指をしたら引っ張ってなおせ」という人もいますが、これはやめていただきたいですね。
突き指といっても一通りではなく、骨折や脱臼、あるいは腱や靭帯が切れていることもあります。
手術が必要な場合もありますので、一般の方が無理に指を引っ張るのは大変危険なことです。
捻挫や打ち身の場合は、まずは冷やして安静にして、それから整形外科を受診してください。

二見いすず: 間違った常識を信じている場合も多いものです。
やはり、専門の医療機関に相談した方が安心ですね。
では、来週は予防についてお話を伺いたいと思います。
橋口さん、今日はどうもありがとうございました。

橋口 兼久Dr: ありがとうございました。