2006.9.16
第177回放送分『スポーツ外傷とスポーツ障害』 ゲスト:橋口兼久ドクター


二見いすず: 今月は、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐちかねひさ)ドクターをゲストにお迎えして「スポーツ外傷とスポーツ障害」をテーマにお話を伺っております。
橋口さん、どうぞよろしくお願いいたします。

橋口 兼久Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今日は、スポーツ外傷やスポーツ障害を予防する上で、どんなことに注意したらよいのかについてお話を伺いたいと思います。

橋口 兼久Dr: この夏、鹿児島工業高校の快進撃に胸をわくわくさせた方も多かったのではないでしょうか。

二見いすず: ほんとにそうですね。
おかげで、長く甲子園を楽しめました。
最近では、野球だけでなく、サッカーや水泳、バレーボールなどいろんな競技で日本人の活躍を目にすることができるようになりましたね。

橋口 兼久Dr: はい。
そういった活躍をされている選手の方々は、一人ひとりの能力や努力ももちろんでしょうが、個人スポーツでもチームスポーツでも、トレーナーや栄養士、それにスポーツドクターと呼ばれる専門医がサポートしている場合も多いんですよ。

二見いすず: そういえば、マラソンの高橋尚子選手もチームを組んで復活を果たしましたね。

橋口 兼久Dr: はい。
こういった一流の選手はもちろん、すべてのスポーツをする人たちにとって一番怖いことはケガや故障です。
それを防ぐために一番大切なことは、二見さん、何だと思いますか。

二見いすず: う〜ん、なんでしょう。
練習や試合の経験を積むということでしょうか。

橋口 兼久Dr: それも大切ですが、体の柔軟性や敏しょう性の大切さも忘れてはなりません。
筋肉を鍛えるだけではケガをしやすいので、日ごろから柔軟体操をして、運動前には必ず準備運動やウォーミングアップをすること、最後には必ずクーリングダウン、整理運動をすることが大切です。
また、自分のコンディションに合わせた無理のない練習計画を立てることも必要ですね。

二見いすず: 周囲の期待にこたえる活躍をしつつ、長くスポーツを楽しむためにも、自分の体と相談しながら練習をすることが大切なんですね。

橋口 兼久Dr: それでも運悪く、ケガをしてしまった場合は、まず専門医を受診して、原因を明らかにし、治療をすることです。
競技スポーツの場合は、ケガなどで休むとレギュラーをはずされるのではと思ったり、試合に出られないと困るなどという焦りから無理をしてしまうケースもあります。
しかし正しい診断と適切な治療を受けることが結局は一番の近道なのです。

二見いすず: よく分かりました。
次回は、知っておきたいスポーツ医学の知識ということでお話を伺いたいと思います。
橋口さん、今日はどうもありがとうございました。

橋口 兼久Dr: ありがとうございました。