2006.9.23
第178回放送分『スポーツ外傷とスポーツ障害』 ゲスト:橋口兼久ドクター


二見いすず: 今月は、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐちかねひさ)ドクターをゲストにお迎えして「スポーツ外傷とスポーツ障害」をテーマにお話を伺っております。
橋口さん、今日もよろしくお願いいたします。

橋口 兼久Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先日、突き指は引っ張って治すというのは間違いで、むやみに引っ張ってはいけない場合も多いというお話がありましたが、ほかにも私達が思い違いをしていることや、スポーツドクターというお立場からのアドバイスはありませんか。

橋口 兼久Dr: そうですね。
突き指といっても骨折やじん帯の断裂で手術が必要な場合もありますので、腫れや痛みが強いときは、ぜひ医療機関を受診していただきたいですね。
また、いわゆる捻挫につきましても、誤解が多いと思います。
捻挫の実体は、じん帯の損傷であるという認識を持っていただきたいのです。

二見いすず: そうなんですね。
では、捻挫は湿布して、痛みが引いたらもう大丈夫と聞いたことがあるのですが、違うんでしょうか。

橋口 兼久Dr: 軽度の捻挫ではそれほど問題となりませんが、できればまず冷やしてテーピングをして1〜2週間程度は安静にしていただきたいですね。
重症の場合は、靭帯のかなりの部分が切れて、関節がぐらぐらと不安定になってしまっている場合もあります。
よく「一度捻挫してから癖になった」という人がいらっしゃいますが、これは靱帯が切れたままになっているために、関節が不安定になって、また捻挫しやすい状態になっているということです。

二見いすず: そうなんですか。
たかが捻挫と甘くみてはいけないんですね。
病院で診ていただかないといけませんね。

橋口 兼久Dr: また、最近では、健康志向で、ランニングやジョギング、ウォーキングをする中高年の方がますます増えていますが、一生懸命取り組みすぎて膝や腰を痛めた、というケースもよくあります。
中高年の場合は、加齢による身体能力の低下や体のあちこちに障害が起こっている場合がありますので、メディカルチェックを受けて、専門家の指導を受けるのが望ましいですね。

二見いすず: シューズなども専用のものが豊富に出回っているようですね。

橋口 兼久Dr: シューズを選ぶ時は、足の形に合った、底が厚めで踵の作りがしっかりしたものを、そして柔らかいものを選んでいただきたいですね。

二見いすず: なるほど。
リスナーの皆さんも、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
橋口さん、今日はどうもありがとうございました。

橋口 兼久Dr: ありがとうございました。

二見いすず: お話は、鹿児島県医師会の橋口兼久(はしぐちかねひさ)ドクターでした。