2006.10.7
第180回放送分『子宮癌検診』 ゲスト:寺原賢人ドクター


二見いすず: 今週は、鹿児島県医師会の寺原賢人(てらはらまさひと)ドクターをゲストにお迎えして「子宮癌検診」をテーマにお話を伺ってまいります。
寺原さん、よろしくお願いいたします。

寺原 賢人Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 子宮癌といえば、女性にとってはとても気になる病気ですが、子宮癌はどのようなものがあるのでしょうか。

寺原 賢人Dr: 子宮癌には、子宮の入口にできる子宮頚部癌と、子宮の内側にできる体部癌の2種類があります。
頚部癌の発生にはウイルスが関与しており、体部癌の発生には乳癌と同じくホルモンが関与しています。

二見いすず: 頚部癌と体部癌の2種類あるのですね。
しかも、原因も違うんですね。
毎年、市町村から届く健康診断の受診案内に「子宮癌検診」もありますが、これはどちらの癌の検査なのでしょうか。

寺原 賢人Dr: はい。
子宮癌検診は、頚部癌と体部癌の両方受けられるようになっています。
頚部癌検診は外から直接観察でき、短時間で実施できますので、バスなどの集団検診でも行われます。

二見いすず: 集団検診では主に頚部癌検診が行われているのですね。
では、体部癌の検査はどういったものですか?

寺原 賢人Dr: はい。
体部癌検診は、外からは見えない子宮の内部の検査になり、ある程度の技術が要求されます。
不正性器出血などの危険因子のある方には、医療機関で個々に検査を受けることをお薦めしています。

二見いすず: 危険因子と言いますと、子宮癌のどのようなことが挙げられますか。

寺原 賢人Dr: 子宮頚部癌は、性交渉によって感染するウイルスが原因とされています。
最近は性交渉の開始年齢が若年化しているために、20代の方の子宮頚部癌が増加しています。
不特定多数のパートナーとの性交渉は感染のリスクが高まりますし、性感染症と共に、子宮頸部癌予防の点からも気を付けていただきたいと思います。

二見いすず: なるほど。
では、体部癌の危険因子はどういったものですか。

寺原 賢人Dr: 体部癌の危険因子は、長期間月経が無かったり、肥満、高血圧、糖尿病、長期間のホルモン剤の服用、乳癌の再発予防薬タモキシフェンの服用などが挙げられます。
また、ご家族に乳癌や大腸癌、卵巣癌、子宮体部癌になったことがある人も注意が必要です。

二見いすず: どちらかの癌が増えているということはあるのですか?

寺原 賢人Dr: はい。
頚部癌と体部癌を比べると、昔は体部癌が5%と圧倒的に少なかったのですが、現在は30%ほどに増えました。
欧米型の食生活や肥満が関係しているのではないかと思います。

二見いすず: 食生活も普段から気をつけなくてはいけませんね。
来週は、子宮癌検診についてさらに詳しく伺います。
寺原さんありがとうございました。

寺原 賢人Dr: ありがとうございました。