二見いすず: | 今週は、鹿児島県医師会の寺原賢人(てらはらまさひと)ドクターをゲストにお迎えして「子宮癌検診」をテーマにお話を伺ってまいります。 寺原さん、よろしくお願いいたします。 |
寺原 賢人Dr: | よろしくお願いします。 |
二見いすず: | 子宮癌といえば、女性にとってはとても気になる病気ですが、子宮癌はどのようなものがあるのでしょうか。 |
寺原 賢人Dr: | 子宮癌には、子宮の入口にできる子宮頚部癌と、子宮の内側にできる体部癌の2種類があります。 頚部癌の発生にはウイルスが関与しており、体部癌の発生には乳癌と同じくホルモンが関与しています。 |
二見いすず: | 頚部癌と体部癌の2種類あるのですね。 しかも、原因も違うんですね。 毎年、市町村から届く健康診断の受診案内に「子宮癌検診」もありますが、これはどちらの癌の検査なのでしょうか。 |
寺原 賢人Dr: | はい。 子宮癌検診は、頚部癌と体部癌の両方受けられるようになっています。 頚部癌検診は外から直接観察でき、短時間で実施できますので、バスなどの集団検診でも行われます。 |
二見いすず: | 集団検診では主に頚部癌検診が行われているのですね。 では、体部癌の検査はどういったものですか? |
寺原 賢人Dr: | はい。 体部癌検診は、外からは見えない子宮の内部の検査になり、ある程度の技術が要求されます。 不正性器出血などの危険因子のある方には、医療機関で個々に検査を受けることをお薦めしています。 |
二見いすず: | 危険因子と言いますと、子宮癌のどのようなことが挙げられますか。 |
寺原 賢人Dr: | 子宮頚部癌は、性交渉によって感染するウイルスが原因とされています。 最近は性交渉の開始年齢が若年化しているために、20代の方の子宮頚部癌が増加しています。 不特定多数のパートナーとの性交渉は感染のリスクが高まりますし、性感染症と共に、子宮頸部癌予防の点からも気を付けていただきたいと思います。 |
二見いすず: | なるほど。 では、体部癌の危険因子はどういったものですか。 |
寺原 賢人Dr: | 体部癌の危険因子は、長期間月経が無かったり、肥満、高血圧、糖尿病、長期間のホルモン剤の服用、乳癌の再発予防薬タモキシフェンの服用などが挙げられます。 また、ご家族に乳癌や大腸癌、卵巣癌、子宮体部癌になったことがある人も注意が必要です。 |
二見いすず: | どちらかの癌が増えているということはあるのですか? |
寺原 賢人Dr: | はい。 頚部癌と体部癌を比べると、昔は体部癌が5%と圧倒的に少なかったのですが、現在は30%ほどに増えました。 欧米型の食生活や肥満が関係しているのではないかと思います。 |
二見いすず: | 食生活も普段から気をつけなくてはいけませんね。 来週は、子宮癌検診についてさらに詳しく伺います。 寺原さんありがとうございました。 |
寺原 賢人Dr: | ありがとうございました。 |