2006.10.21
第182回放送分『乳癌検診』 ゲスト:喜島祐子ドクター


二見いすず: 10月の後半は、2週に渡り、乳癌検診について鹿児島県医師会の喜島祐子(きじまゆうこ)ドクターをゲストにお迎えしてお話をうかがいます。
喜島さん、よろしくお願いします。

喜島 祐子Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 乳癌とは、文字通り乳房にできる癌と考えてよろしいですよね。

喜島 祐子Dr: はい。
乳癌は、乳腺にできる悪性腫瘍。
原因は、女性ホルモンの中のエストロゲンという物質と関係しているのではないかと言われています。

二見いすず: なるほど。
乳癌にかかる人はどのくらいいるのですか?

喜島 祐子Dr: 現在は、日本人女性の23人に1人が乳がんにかかる時代と言われています。
日本全体でもそうですし、鹿児島でも増えています。
将来はもっと増えるとも言われています。

二見いすず: そんなに多いのですか。
驚きました。
どういう方が多いのでしょうか。

喜島 祐子Dr: 40代後半から50代,60代の方が多いのですが、20代、30代,あるいはもっとご高齢の方もいらっしゃいます。
成人した女性なら誰でも乳癌にかかる可能性があると思います。

二見いすず: 特にこういう方は注意した方がいい、という傾向がありますか?

喜島 祐子Dr: そうですね。
たくさんあるのですが、近親者に乳癌の方が入る方、お子さんを出産していない方、最初の出産が35歳以上である高齢出産をされた方,閉経後の肥満の方などが乳癌になりやすいと言われています。

二見いすず: 誰でもかかりうる病気ですが、そういった方は特に注意が必要なんですね。

喜島 祐子Dr: はい。
しかし、乳癌は早期に発見すれば治る確率がぐっと上がる病気だということも知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: そうなんですね。
では、どうしたら早期発見できるのでしょうか。

喜島 祐子Dr: まず簡単なのは、日々の自己検診です。
ご自分の乳房の様子を観察すると、乳首の向きや高さの変化など、左右差が出て来たという異常に気づくことができます。
また、生理が終わるころに、仰向けになり、万歳のポーズをして触ってみてください。
指の腹で触り、しこりがないか、乳頭に血液のような分泌物がないか、などを調べてみましょう。

二見いすず: 自分の目で見て、手で触れて、常に気を付けておくことが大切ですね。

喜島 祐子Dr: その通りです。
ただし、自己検診は、しこりの大きさが2、3cmにならないと気づかないという難点もあります。

二見いすず: なるほど。
では、より早期に発見するには、やはり医療機関での検診が大切ですね。

喜島 祐子Dr: その通りです。
市町村でも対象年齢を定めて、乳癌検診を行っていると思いますので、ぜひ受診をしてみてください。

二見いすず: 分かりました。
ありがとうございました。
来週は、医療機関での乳癌検診についてさらに詳しく伺います。
喜島さん、ありがとうございました。

喜島 祐子Dr: ありがとうございました。