2006.11.11 
第185回放送分『がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 先週から「がん検診」をテーマにお送りしています。
今週も鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターをお迎えしています。
瀬戸山さん、どうぞよろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: はい、どうぞよろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週はがんの最新事情ということでお話を伺いましたが、今週は「胃がん」についてお話をお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: 先週、がん死亡のトップは肺がんというお話をいたしましたが、実は、男女を問わず、がん患者の中でかかっている人が一番多いのは胃がんなんです。

二見いすず: 胃がんにかかっている患者さんが一番多い、ということなんですね。

瀬戸山史郎Dr: はい、そうなんですね。
ただ、胃がんというのは非常に早期の段階で発見されれば、比較的治療がしやすいがんです。
ということで、がんの指標の一つとして5年生存率というのがあります。
手術してから5年後も生存している方の率のことで、これを予後というのですが、検診で発見される胃がんの場合、5年生存率は90%近いと、非常に良好なんですよね。

二見いすず: そうですか。
そうしますと検診を受けて、早期発見されればそれだけ治る可能性が高いということですよね。
ところで胃がんになってしまう要因にはどのようなことがあるんですか。

瀬戸山史郎Dr: これまでいろいろな研究があるんですが、最近厚生労働省がまとめた研究では、やはり塩分の過剰摂取ということに大きな原因があるといわれております。
たとえば、塩辛いもの、塩分の高いものを食べないこと。
あまり熱いものは少しさましてから食べるということ。
それから、肉などでは特に焦げたもの、そこは食べないほうが良いということですね。

二見いすず: そしてお野菜とか果物、肉、魚など食材のバランスも大切なんでしょうね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
まず胃がんの原因の一つには野菜や果物の不足も挙げられています。
特にほうれん草、ニンジン、カボチャ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜には、発がん予防作用のあるベーターカロチンが大変含まれておりますので、ぜひ毎食摂っていただきたいと。
果物にはビタミンCやミネラルなど豊富ですので、だいたい一日200gは摂りなさいと言われております。
野菜は1日に350g以上、特にその中でも緑黄色野菜は120g以上摂るのが理想的と言われております。

二見いすず: 鹿児島は地元の新鮮でおいしいお野菜が安く、豊富に手に入るので、その点では幸せだと思いますね。

瀬戸山史郎Dr: ところが「健康鹿児島21」で調べた所では、鹿児島県民の野菜と緑黄色野菜摂取量は非常に理想量より少ないんです。
もう少し県民の方にはたくさん野菜を食べていただきたいと思います。

二見いすず: 食生活は心がけ次第でずいぶん変わってくるものだと思いますので、胃がんだけでなく、すべての病気予防のためにもたっぷりお野菜を食べて頂きたいと思います。
そして瀬戸山さん、なんといっても早めの検診、これが大切ですね。

瀬戸山史郎Dr: 早めに検診を受けていただく、これに尽きます。

二見いすず: 分かりました。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。
来週もよろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: どうぞよろしくお願いいたします。