2006.11.18 
第186回放送分『がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 11月は「がん検診」をテーマにお送りしています。
今週も鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターをお迎えしています。
瀬戸山さん、どうぞよろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: どうぞよろしくお願いいたします。

二見いすず: さて、今日は、がんの中でも死亡率がトップという「肺がん」について詳しくお話をお伺いしたいと思います。

瀬戸山史郎Dr: 現在、鹿児島県では、肺がんによる死亡者数が肝臓がん、大腸がんなどを上回ってトップです。
そしてその死亡率も全国平均を上回って、昨年は11位という非常に残念な状況です。
原因の一つとしては、がん検診の受診率が鹿児島県の場合、全国平均よりかなり低いことが考えられます。

二見いすず: それはちょっと残念ですね。

瀬戸山史郎Dr: そしてもう一つ残念なことは、5年生存率についてですが、これが、他のがんでは非常に高いのですが、肺がんだけは40%と非常に低いんです。
肺がんは発見された時点でかなり進行しているケースが多いわけです。

二見いすず: 肺がんは発見されにくいガンということでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 通常、検診ではレントゲン検査をするわけですが、レントゲンで見つけにくい場所のがんもあるわけです。
特にたばこを吸う人に多いです。
そういう方の場合には痰の検査をする。
痰の中にがん細胞があるかどうか、細胞診という検査をするわけです。

二見いすず: たばこを日常的に吸われる方は、特に痰の検査をするということが大事ですか。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。
本県の男性肺がん患者さんの約8割がたばこを飲んでいます。
その中でもヘビースモーカーが8割です。
そういったことで、肺がん予防に一番有効なのは禁煙だと思います。
それからタバコを吸わない人でも、タバコを吸う人の煙を吸い込む「受動喫煙」というものがあります。
これも発がん物質が非常に多いので、自分が吸っていなくても、吸っている人のたばこの煙を吸って肺がんになるリスクは非常に大きくなります。

二見いすず: 自分はたばこを吸わないから肺がんは大丈夫ということは、考えてはいけませんね。

瀬戸山史郎Dr: そうですね。

二見いすず: 全体的にたばこを吸っている方は今減っているような気がしますが、一方でなかなか禁煙できないという方もいらっしゃるようですね。

瀬戸山史郎Dr: 今度からニコチン依存症指導管理料といって、たばこを飲んでいる方にも禁煙治療が保険で効くようになりましたので、禁煙したい方はぜひお医者さんに相談されるといいと思いますよ。

二見いすず: そうですね。
肺がん予防のためにもぜひ禁煙ということを努めて頂きたいと思います。
今日は鹿児島県でも死亡者が多い肺がんについてお話をしていただきました。
お話は鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。
どうもありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。