2006.11.25 
第187回放送分『がん検診』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター


二見いすず: 11月は「がん検診」をテーマにお送りしています。
最終日の今日も、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターにお話をして頂きます。
瀬戸山さん、どうぞよろしくお願いいたします。

瀬戸山史郎Dr: はい、どうぞよろしくお願いいたします。

二見いすず: さて、胃がん、肺がんとお話を伺ってまいりましたが、最終日の今日は大腸がんについてお願いします。

瀬戸山史郎Dr: 大腸がんは早期発見率が子宮がんに次いで高いです。
特に予後と申しまして、5年生存率も96%ということで、子宮がんが99%ですから、子宮がんと同じように見つけやすくて、しかも治りやすいがんと言えます。

二見いすず: そうなんですね。
そして、検診も大腸がんの場合は最初はそんなに負担はないようですね。

瀬戸山史郎Dr: はい、一次検診は便の中の微量の血液をチェックします。
つまり大腸がんなどがあると、そこに微量な血液が混ざるわけですね。
それをチェックします。
それで引っかかった方は精密検査を受けますが、この精密検査というのは大腸カメラと申しまして、大腸の中に内視鏡を入れて診る検査とか、あるいは注腸とうことでバリウムを入れて診る検査があるんですね。
これがなかなか苦痛なもんですからね。
普通これを受ける人が少ないんですけれども、鹿児島県では全国平均を大きく上回っておりまして、全国は57%、鹿児島は90%ということで、非常に高いわけです。
それが鹿児島県の早期発見、早期治療へつながっているのではないかと思います。

二見いすず: はい、分かりました。
では瀬戸山さん、大腸がんの予防としてはどんなことが有効なんでしょうか。

瀬戸山史郎Dr: 最近分かってきたんですが、要するに食生活の欧米化、つまり日本人は戦前戦後に比べて、最近非常に脂肪を摂る量が多くなったわけですね。
鹿児島県で例えば脂肪摂取量が今カロリーベースで26.6%。
普通これは25%以下なんですね。
そういうことで、脂肪の摂り過ぎがよくありませんよということです。
そしてもう一つ、胃がんの際にもお話しましたように、大腸がん予防には発ガン予防作用のある緑黄色野菜をたくさん摂ってくださいということです。
特にその中でも食物繊維をたくさん摂ることが大切です。

二見いすず: はい、4回にわたってがんのお話をしていただいておりますが、がんにならないためには食生活に気を配るということと、それから定期的に検診を受けていれば、たとえがんになったとしても、早期発見が期待できて、さらに早期の治療、予後がよくなるということですよね。

瀬戸山史郎Dr: はい、やはりがん検診というと、皆さんおっくうに感じていらっしゃる方が多いんですよね。
しかし、やはりせめて年1回は受診していただくということを心がけていただけば、かなり命が助かると思います。

二見いすず: はい、費用についても、自治体の補助なども受けられる場合もあるんですよね。

瀬戸山史郎Dr: はい、これも今、自治体の補助なども受けられますので、ご自分の住んでいらっしゃる市町村の窓口に気軽に問い合わせていただけばいいと思います。

二見いすず: 4週にわたってがんのお話をしていただきました。
瀬戸山史郎(せとやま しろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

瀬戸山史郎Dr: どうも。