2007.6.9
第215回放送分『虫による皮膚炎』 ゲスト:西 正行ドクター


二見いすず: ドクタートーク。
6月は、この時期に注意していただきたい皮膚のトラブルについて、鹿児島県医師会の西正行(にし まさゆき)ドクターにお話をおうかがいしています。
西さん、今日もよろしくお願いいたします。

西 正行Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は、今の時期、夏の前と秋口に多いチャドクガによるトラブルについてお話をおうかがいしました。
今週は、そのほかの虫による皮膚トラブルについてお話をお願いいたします。

西 正行Dr: はい。今週は、ヤケド虫についてお話させていただきます。

二見いすず: ヤケド虫というのは、どんな所にいるんですか。

西 正行Dr: 野山や自然が多い所にいます。

二見いすず: ヤケド虫と聞いただけで刺されると痛そうな感じがするんですが、この虫はどのような特徴があるんでしょうか。

西 正行Dr: はい。ヤケド虫は、正式にはアオバアリガタハネカクシという名前の虫で、体長が約7mm、アリのような形をしています。
夜間、明かりに向かって飛んできます。

二見いすず: 7mmですと目で確認できるくらいの大きさですね。
そのヤケド虫、どんな影響があるんでしょうか。

西 正行Dr: 例えば、夜寝ているときに明かりに向かって室内に飛んできたヤケド虫を、無意識に手で払いのけたりしてつぶしてしまうと、その体液が皮膚に付着し、ヤケドをしたときと同じ化学熱傷を起こしてしまうのです。

二見いすず: 刺されるのではなくて、体液が付着してヤケドのような症状になるということですが、赤くはれて、痛みもあるということですか。

西 正行Dr: その通りです。
ひりひりします。
二次感染を起こし、こじらせてしまうと痕が残ることもありますので、医療機関で診察を受けて下さい。

二見いすず: それにしましても、寝ている間に知らず知らずということになりますと、なかなか防ぐのも難しいですね。

西 正行Dr: そうですね。
ですので、部屋にヤケド虫が入らないように、網戸を閉めるという工夫をしていただければと思います。

二見いすず: はい。この際ですので、網戸も点検していただきたいと思います。
それにしましても先週の毛虫、今週のヤケド虫といい、知らないと虫が原因だとは気づきませんね。
皮膚のトラブルはやはり皮膚科の専門医に診てもらうことが大切だということですね。
西さん、これから、蚊も気になるシーズンです。

西 正行Dr: そうですね。
かゆいからといって、掻き壊してしまうと、ばい菌がついて飛び火の原因になったりします。
また、ほっておくと炎症が長引き、色素沈着も起こりますので、医療機関で適切な治療を行ってください。

二見いすず: はい、分かりました。
ついつい、蚊に刺されたくらいで病院へ行くのはちょっと・・と思ってしまいがちなんですが、トラブルを広げないためにも、そして重症にならないためにもぜひ診察をしてもらってください。
先週から2週にわたって、虫による皮膚炎について県医師会の西正行ドクターにお話をおうかがいしました。
西さん、このヤケド虫、毛虫ですが、やはりはじめてそういうトラブルに遭ったときはなかなかわかりにくいですね。

西 正行Dr: そうですね。
ですので、こちらが説明してもこれが虫だということを信じてもらえないこともあるんですよ。

二見いすず: そうですか、ぜひ専門医に診てもらってください。
来週からは、日焼けについてお話をおうかがいします。
どうも、ありがとうございました。

西 正行Dr: ありがとうございました。