2007.6.16
第216回放送分『日焼け』 ゲスト:西 正行ドクター


二見いすず: 今月は、この時期に注意していただきたい皮膚のトラブルについて、鹿児島県医師会の西正行(にし まさゆき)ドクターにお話をおうかがいしています。
西さん、今日もよろしくお願いいたします。

西 正行Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 今週から3週にわたり、日焼けについてお話をおうかがいします。
これから夏にかけて、日差しがますます強くなりますので、日焼けはとても気になりますが、やはりこの時期だんだん紫外線も強くなっていくんでしょうね。

西 正行Dr: はい。紫外線は、4月から9月まで強まり、特に鹿児島では、7、8月がピークとなります。
ただし、それ以外の時期も紫外線はありますから、対策は一年中必要です。

二見いすず: 紫外線を浴びますと、肌が焼けて色が黒くなるということが思い浮かぶのですが、そのほかにも影響があるんでしょうか。

西 正行Dr: はい。紫外線を浴びると、口唇ヘルペスができやすくなるなど免疫力が低下してしまいますし、肌が老化して、しみ、しわ、たるみなどの原因にもなります。
また、長期的に見ると、オーストラリアの研究ですが、10歳までに浴びた紫外線が多い人は、その後皮膚がんになる確率が高いというデータもあります。
白色人種の方が紫外線の影響を受けやすいとしても、やはり、有害であることには間違いありません。

二見いすず: うかがっていますと、皮膚にとっては紫外線を浴びるのは、百害あって一利なし、ということでしょうか。

西 正行Dr: まさにその通りです。
以前、子供には日光浴をさせましょう、という考え方がありましたが、現在の「母子健康手帳」には外気浴に変更されています。

二見いすず: 外気浴というのはどういうことなんでしょうか。

西 正行Dr: 屋外の空気に触れさせてあげることを言います。
そのとき、紫外線の強い午前10時から午後2時までの時間帯は避けた方がいいでしょう。

二見いすず: これからの季節は特に外に出る時間帯にも注意が必要なんですね。

西 正行Dr: そうですね。
大人がご自分で注意するのはもちろんですが、ヒトは18歳までに一生で浴びる紫外線量の半分を浴びると言われています。
その影響は一生涯続きます。
そう考えますと、子どものときに、親御さんがいかに注意してあげるかで、その子どもさんが50歳、60歳になったときに差が出てくる、ということです。

二見いすず: お話にありましたように、18歳までに一生で浴びる紫外線量の半分を浴びるという風におっしゃいましたが、やはり、学生さん達が外で野球をしたりスポーツをしたりということが多いからでしょうか。

西 正行Dr: そうですね。
学生のうちから体育の時など日焼け止めクリームを使うのが大事ですね。

二見いすず: はい、分かりました。
紫外線を浴びますと、色が黒くなるということだけではなくて、肌の老化、免疫力の低下、そして皮膚がんの発生などの原因にもなるということです。
自分自身で注意するのはもちろんですが、紫外線を浴びる機会の多い子どもさん達にも十分注意してあげたいものです。
西さん、小さい子どもさん達にもやはりクリームを付けて上げた方がいいわけですね。

西 正行Dr: そうですね。
やはりいかに小さいときに紫外線を避けるかというのが皮膚の老化等の防御になるわけですね。

二見いすず: はい、分かりました。
来週は引き続き、紫外線予防について具体的におうかがいします。
西さん、今日はありがとうございました。

西 正行Dr: ありがとうございました。