二見いすず: | 7月に入りました。 いよいよ本格的な夏到来です。 本日から4週に渡り、「性感染症」について、鹿児島県医師会の福元清吾(ふくもとせいご)ドクターにお話をおうかがいします。 福元さん、よろしくお願いいたします。 |
福元清吾Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | まず「性感染症」と言いますと、どのような病気のことを言うのでしょうか。 |
福元清吾Dr: | はい。 「性感染症」は、簡単に言いますと、その名の通り、性行為によって感染する病気のことです。 |
二見いすず: | なるほど。 では、原因は、どのようなものがあるのでしょうか。 |
福元清吾Dr: | 大きく分けると4つの原因が挙げられます。 「細菌」「クラミジア」「ウイルス」「真菌」があります。 まず、「細菌」による代表的な病気は、「梅毒」「淋病」などです。 次に、「クラミジア」によるもの。 よく子宮や卵管に病巣がはびこり、そこで炎症を起こすクラミジア子宮炎、クラミジア卵管炎などがあります。 「ウイルス」が原因のものは、よく知られているエイズ、ヘルペス、尖圭コンジロームなどがあります。 最後に、「真菌」によるもの。 これは、カビの一種ですが、膣、外陰部にカビがはびこるカンジダ膣炎、カンジダ外陰炎などがあります。 |
二見いすず: | 性感染症、とひと口に言っても、そんなにたくさんの種類があるのですね。 どんな症状が出るのでしょうか。 |
福元清吾Dr: | はい。 症状としては、おりものが増えたり、いぼができたり、炎症を起こしたりします。 また、下腹部に痛みを感じたりする場合もあります。 しかし、性感染症の多くは、自覚症状がないケースが多く、気づかないうちに感染していたという場合も多いのです。 |
二見いすず: | かぜにかかったらせきが出て、病気を知らせてくれますよね。 一般的な病気は、そのように、症状が危険信号を発してくれますが、性感染症については、それがない場合が多いということですね。 |
福元清吾Dr: | その通りです。 自己診断できるようなアラームサインがないのが気掛かりです。 |
二見いすず: | なるほど。 では、どうしたらいいのでしょうか。 |
福元清吾Dr: | そうですね。 健康管理を心掛けるなら、病院で検査を受けることをお薦めします。 |
二見いすず: | そうですね。 自覚症状がないということですので、一人ひとりが健康を守る意識を持っていなければなりませんね。 では、鹿児島の現状はいかがでしょうか。 |
福元清吾Dr: | ひと昔前までは、首都圏にくらべると報告が少なかったのですが、現在は性に関する興味本位の情報がはんらんし、その影響からか、地域格差もなくなってきています。 鹿児島でもさまざまなケースが報告されています。 |
二見いすず: | そうですか。 地方でも、決して他人事ではない、ということですね。 |
福元清吾Dr: | そうですね。 時代の変遷と共に、性に対する考え方が変化しています。 思春期以降のあらゆる年代で、性行為に対する垣根が低くなり、接触が増えるとともに、必然的に性感染症も広がりつつあります。 |
二見いすず: | 分かりました。 次週もひきつづき、性感染症についてうかがいます。 福元さん、本日はありがとうございました。 |
福元清吾Dr: | ありがとうございました。 |