2007.7.7
第219回放送分『性感染症』 ゲスト:福元清吾ドクター



二見いすず: 7月に入りました。
いよいよ本格的な夏到来です。
本日から4週に渡り、「性感染症」について、鹿児島県医師会の福元清吾(ふくもとせいご)ドクターにお話をおうかがいします。
福元さん、よろしくお願いいたします。

福元清吾Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず「性感染症」と言いますと、どのような病気のことを言うのでしょうか。

福元清吾Dr: はい。
「性感染症」は、簡単に言いますと、その名の通り、性行為によって感染する病気のことです。

二見いすず: なるほど。
では、原因は、どのようなものがあるのでしょうか。

福元清吾Dr: 大きく分けると4つの原因が挙げられます。
「細菌」「クラミジア」「ウイルス」「真菌」があります。
まず、「細菌」による代表的な病気は、「梅毒」「淋病」などです。
次に、「クラミジア」によるもの。
よく子宮や卵管に病巣がはびこり、そこで炎症を起こすクラミジア子宮炎、クラミジア卵管炎などがあります。
「ウイルス」が原因のものは、よく知られているエイズ、ヘルペス、尖圭コンジロームなどがあります。
最後に、「真菌」によるもの。
これは、カビの一種ですが、膣、外陰部にカビがはびこるカンジダ膣炎、カンジダ外陰炎などがあります。

二見いすず: 性感染症、とひと口に言っても、そんなにたくさんの種類があるのですね。
どんな症状が出るのでしょうか。

福元清吾Dr: はい。
症状としては、おりものが増えたり、いぼができたり、炎症を起こしたりします。
また、下腹部に痛みを感じたりする場合もあります。
しかし、性感染症の多くは、自覚症状がないケースが多く、気づかないうちに感染していたという場合も多いのです。

二見いすず: かぜにかかったらせきが出て、病気を知らせてくれますよね。
一般的な病気は、そのように、症状が危険信号を発してくれますが、性感染症については、それがない場合が多いということですね。

福元清吾Dr: その通りです。
自己診断できるようなアラームサインがないのが気掛かりです。

二見いすず: なるほど。
では、どうしたらいいのでしょうか。

福元清吾Dr: そうですね。
健康管理を心掛けるなら、病院で検査を受けることをお薦めします。

二見いすず: そうですね。
自覚症状がないということですので、一人ひとりが健康を守る意識を持っていなければなりませんね。
では、鹿児島の現状はいかがでしょうか。

福元清吾Dr: ひと昔前までは、首都圏にくらべると報告が少なかったのですが、現在は性に関する興味本位の情報がはんらんし、その影響からか、地域格差もなくなってきています。
鹿児島でもさまざまなケースが報告されています。

二見いすず: そうですか。
地方でも、決して他人事ではない、ということですね。

福元清吾Dr: そうですね。
時代の変遷と共に、性に対する考え方が変化しています。
思春期以降のあらゆる年代で、性行為に対する垣根が低くなり、接触が増えるとともに、必然的に性感染症も広がりつつあります。

二見いすず: 分かりました。
次週もひきつづき、性感染症についてうかがいます。
福元さん、本日はありがとうございました。

福元清吾Dr: ありがとうございました。