2007.7.14
第220回放送分『性感染症』 ゲスト:福元清吾ドクター



二見いすず: 先週から「性感染症」について、鹿児島県医師会の福元清吾(ふくもとせいご)ドクターにお話をうかがっています。
福元さん、今週もよろしくお願いいたします。

福元清吾Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、性感染症の代表的なものや、その原因などについて、お話をうかがいました。
その中でも特に増えているものがありますか。

福元清吾Dr: はい。
最近特に増えているのが「クラミジア感染症」です。

二見いすず: そうなんですか。
「クラミジア感染症」とは、どういう特徴があるのでしょうか。

福元清吾Dr: この病気は、15歳〜24歳に多く、「若年性感染症」と呼んでもいいくらい、若い人に広がっているんです。
2年前に、「カレシの元カノの元カレを、知っていますか?」というかなりセンセーショナルなフレーズがお茶の間に飛び込んできました。
でも、私は、これが現代の若者のドキュメントだと思っています。

二見いすず: そうですか・・。
性感染症は、本当に若い人にも広がっているんですね。

福元清吾Dr: そうですね。
この病気は、自覚症状がほとんどないので、知らず知らずのうちに他人にうつしているケースが多いのも、症例が増加している一因ですね。

二見いすず: なるほど。
この病気にかかるとどうなるのでしょうか。

福元清吾Dr: 自覚症状がないので、軽く考えがちですが、実は、クラミジアは、妊娠の成立に大切な卵管が病巣となるので、赤ちゃんができにくくなる不妊の原因になる場合があるのです。

二見いすず: 性感染症が原因で、不妊になることがあるんですね。
それは、大変です。

福元清吾Dr: そうなんですよ。
クラミジアは不妊の原因になるほか、クラミジアにかかっているお母さんが妊娠して赤ちゃんを出産すると、肺炎や結膜炎にかかりやすくなります。
また、そのほかの性感染症でも、淋病のお母さんが口移しで赤ちゃんに食べ物を与えたら、赤ちゃんも淋病になってしまったとか、ヘルペスが出産時に赤ちゃんにも感染し、貧血や黄疸になってしまった、という例も報告されています。

二見いすず: 心配なお話でしたが・・。
大切な赤ちゃんに災いがふりかかることは、防がなくてはなりませんね。

福元清吾Dr: ほかにも、性感染症が原因で、子宮頸癌を発病させることもあるんですよ。

二見いすず: それは怖いことです。

福元清吾Dr: ただし、クラミジアに関しては、幸いにも特効薬があり、1回薬を飲めば、ほぼ100%治る病気だということも知っていただきたいです。

二見いすず: 気になる方は、ぜひ勇気を持って検査を受けて、きちんと治療していただきたいですね。
福元さん、本日はありがとうございました。

福元清吾Dr: ありがとうございました。