2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 9月になりましたが、厳しい残暑が続いています。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
さて今月は、「禁煙」について、鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターにお話を伺ってまいります。
有馬さんよろしくお願いいたします。

有馬新一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 「禁煙」についてはこの番組でも何回か取り上げていますが、最近では、公共の場所でも【禁煙】の表示を見かけることが多くなりました。
タバコを吸われる方はますます肩身が狭くなっているようですね。

有馬新一Dr: タバコの害についてはかなり知られてきまして、40年前は成人男性の83.7%が喫煙者でしたが、現在は半分以下にまで減ってきました。
しかし、女性は40年前が18%、現在は13.8%とあまり減っていません。
むしろ若い女性の喫煙者が増加傾向です。
今月は、改めてタバコの害について考えてみたいと思います。

二見いすず: よろしくお願いします。

有馬新一Dr: タバコを吸うと、血管が収縮して血液の流れが悪くなり、血液とともに体内に供給される酸素の量が不足します。
頭がボーっとしたり、すぐ疲れるなどの症状が現れます。
また、発ガン物質として知られるタールですが、1日に20本のタバコを吸う人は、1年間でコップ1杯分のタールが体に吸収されるということになり、決して健康に良いとはいえませんね。
また、20代前半に喫煙を始めた人が60歳までに肺がんになる数値は、タバコを吸わない人の約15倍というデータがあります。

二見いすず: タバコを吸う人は大変なリスクを背負っているんですね。

有馬新一Dr: 単に肺に悪いということだけではありません。
長い間の喫煙習慣は、特に全身の血管を縮めるなどの悪影響を与えます。
また、脳卒中や狭心症などが発症するリスクがタバコを吸わない人よりも増えるという統計もあります。
タバコを1本吸うと、寿命が5分30秒短くなる、一生分では10年縮むといわれているんですよ。

二見いすず: 聞けば聞くほど怖くなってきました。
なんだかタバコを吸うのは命がけという感じですね。
女性の場合は、美容にもかなり影響があるそうですね。

有馬新一Dr: その通りです。
喫煙によって、シミ、シワが同年代の吸わない人よりも増えるといわれています。
皮膚の血流が悪くなるわけですから、当然といえますね。
タバコを吸う女性の方には、美容のためにエステに行く前に、まずは禁煙をお勧めしますね。

二見いすず: まさに、百害あって一利なし、ということですね。

有馬新一Dr: 好きで吸ってるんだからいいじゃないか、という方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の健康が悪化すれば家族にも迷惑をかけますし、タバコを吸う人のそばで生活している人の健康にも悪影響がありますからね。

二見いすず: ほんとにそうですね。
次回は、自分が吸っていないのにタバコの煙で影響が出てしまう「受動喫煙」について伺います。
有馬さん、ありがとうございました。

有馬新一Dr: ありがとうございました。