2007.8.4            第223回放送分『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 今日は「禁煙」の最終回です。
引き続き鹿児島県医師会の有馬新一(ありましんいち)ドクターにお話を伺います。
有馬さん、今日もよろしくお願いいたします。

有馬新一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週、先々週のお話を聞いて、絶対禁煙したい、あるいは禁煙させたいと思った方も多いのはないでしょうか。
一方で、分っているけれどやめられない、という人もやはり多いようですね。

有馬新一Dr: 本当にそうですね。
タバコに含まれているニコチンは依存症を引き起こします。
ですから体に悪いと頭では分かっていても、タバコをやめられないのは、「ニコチン依存症」という病気であると認定されています。
医療機関では、昨年の4月から保険が適用されることになりました。

二見いすず: 保険診療で禁煙に取り組めるということですね。

有馬新一Dr: 3ヶ月プランで、ドクターの指導を受けながら禁煙を目指します。
私の経験では、ドクターの示す標準の手順どおりにやって、ちゃんと病院へ通った人はほぼ100%禁煙できています。
ただし、本当にニコチン依存症であるかどうか等いくつかの条件がありますので、まずは医療機関で相談してみてくださいね。

二見いすず: ドクターがサポートしてくれるということであれば、心強いですね。
禁煙に取り組むに当たって、日常生活の中での禁煙のポイントをアドバイスしていただけますか。

有馬新一Dr: まずは、タバコはもちろん、灰皿、ライターなどタバコを連想させるものも身近に置かないこと。
目に付くところにあると、どうしても吸いたくなりますから、禁煙すると決めたらきっぱりと捨てること。
もしそれでも吸いたくなったらお茶を飲む、ガムをかむ等して気を紛らわす努力をしてください。
また、ニコチンパッチを利用するのも有効です。
ニコチンパッチは、体に貼ることで、体内に少量のニコチンを取り込んで、イライラを抑えてくれるんです。

二見いすず: もちろん家族の協力も必要ですよね。

有馬新一Dr: そうですね。
励ましたり、気を紛らわす手助けをしたり、さりげなくサポートしてあげてください。
また、禁煙する本人も、家族のために頑張るぞ、という気持ちがあれば違うのではないでしょうか。
万一、途中で挫折してしまった場合でも、責めたりしないでください。
逆に意固地になってしまう場合もありますから。
一度の禁煙ですぱっとやめられる人のほうが少ないんです。
失敗しても何度でもチャレンジすることが大切です。
ご本人も家族の方もどうぞあきらめないで下さい。
禁煙には「遅すぎ」はないのです。

二見いすず: 元気な赤ちゃんを産むために禁煙にチャレンジしている若い夫婦もいらっしゃるそうですね。

有馬新一Dr: そうですよ。
禁煙は自分だけのことではなく、未来へつながる命にもかかわってくることです。
「ニコチン依存症」は薬物依存と同じです。
家族と協力しながら、強い意思で克服しましょう。

二見いすず: 3週にわたって「禁煙」についてお話を伺ってまいりました。
有馬さん、ありがとうございました。

有馬新一Dr: ありがとうございました。