二見いすず: | 今月のドクタートークは、「感染性胃腸炎」について、鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターにお話を伺ってまいります。 南さん、どうぞよろしくお願いいたします。 |
南 武嗣Dr: | よろしくお願いします。 |
二見いすず: | まず、「感染性胃腸炎」とはどのような病気なのでしょうか。 |
南 武嗣Dr: | 「感染性胃腸炎」とは、ウイルスや細菌などの感染する病原体が原因で胃腸炎になる病気のことです。 代表的なものに「ノロウイルス」と「O-157」がありますが、ノロウイルスはウイルス性の感染性胃腸炎、O-157は細菌性の感染性胃腸炎です。 |
二見いすず: | ウイルス性と細菌性があるんですね。 どのような症状が表れるのでしょうか。 |
南 武嗣Dr: | 原因によって症状はさまざまですが、主に嘔吐や腹痛、血便、水のような下痢などがあります。 ひどい場合では発熱をともなうこともあります。 |
二見いすず: | ノロウイルスは昨年の冬に流行したことで話題になりましたが、O-157は夏になるとよく耳にします。 感染しやすい季節というのはあるのでしょうか。 |
南 武嗣Dr: | そうですね。 どちらも一年中発生しているのですが、ウイルス性は冬場の発生率が高く、過去のデータによれば12月から2月がピークとなっているようです。 一方、細菌性の発生率は夏場になると高くなります。 |
二見いすず: | 今の時期はウイルス性の感染性胃腸炎に気をつけなければならないということですね。 年齢によってかかりやすいということはありますか。 |
南 武嗣Dr: | 感染する確率の高い年齢層は特にないのですが、免疫力や抵抗力の低い子どもやお年寄りは、健康な成人と比べて、症状が重くなるということがいえます。 嘔吐や下痢で脱水症状になったり、嘔吐物をのどに詰まらせて窒息したり、また、お年寄りの場合は脱水から脳梗塞を起こすケースもあり、命に関わる場合もあるんです。 |
二見いすず: | お腹が痛くなるだけと甘く見てはいけない病気ということですね。 小さなお子さんやお年寄りのいらっしゃるご家庭では特に注意が必要ですね。 では、感染性胃腸炎にかからないようにするにはどうしたらよいのでしょう。 |
南 武嗣Dr: | 手洗いの徹底が一番の予防法です。 また、ウイルスや細菌を含む危険性のある食べ物は、調理の際に十分火を通すということも注意しておいてください。 |
二見いすず: | わかりました。 では、来週からは感染性胃腸炎の代表的なものについて、より詳しく伺っていきたいと思います。 お話は鹿児島県医師会の南武嗣(みなみたけつぐ)ドクターでした。 ありがとうございました。 |
南 武嗣Dr: | ありがとうございました。 |