『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:内薗明裕ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「アレルギー性鼻炎」について、鹿児島県医師会の内薗明裕(うちぞのあきひろ)ドクターにお話を伺います。
内薗さん、よろしくお願いいたします。

内薗明裕Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 内薗さんは、耳鼻咽喉科医でいらっしゃいますが、「アレルギー性鼻炎」とは、どういう病気なのか教えてください。

内薗明裕Dr: はい。
一言で言えば、ある物質が鼻の中に入ってきたときに、その異物を排除しようとする反応が過剰に出てきてしまう状態です。

二見いすず: そうですか。
「アレルギー性鼻炎」の代表的なものとして思い浮かべるのは、「花粉症」なのですが、ほかにどのようなものがあるのでしょうか。

内薗明裕Dr: はい。
「アレルギー性鼻炎」は、大きく分けて2つありまして、先ほど二見さんがおっしゃった「花粉症」と、家のほこりなどに潜んでいるダニが原因の「ダニアレルギー」が代表的なものとして挙げられます。

二見いすず: 「花粉症」と「ダニアレルギー」の二つがあるということですね。
具体的には、どんな症状が出るのでしょうか。

内薗明裕Dr: はい。くしゃみ、鼻水、鼻づまりということになります。
これは、もう少し詳しく申し上げますと、鼻の中に花粉やダニなどのアレルゲンが侵入したときに、何回も続けて起こるくしゃみ発作があり、その後に水ばなが出て、更にその後に鼻づまりが起こるということになります。

二見いすず: なるほど。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが順に出てくるのですね。

内薗明裕Dr: そうですね。

二見いすず: 最近、アレルギー性の病気が増えていると聞きます。
鼻炎もやはり増えているのでしょうか。

内薗明裕Dr: ええ、実は、「花粉症」のような季節性のものと、「ダニアレルギー」のような通年性のものを合わせると、全国民の30%が「アレルギー性鼻炎」にかかっていることになります。

二見いすず: えっつ、そんなに多いのですか。
それでは、日本国民の3人に1人ということですね。
まさに国民病ですね。
では、鹿児島の現状はいかがでしょうか。

内薗明裕Dr: そうですね。
2005年版の最新版鼻アレルギー診療ガイドラインによれば、鹿児島も有病率32.2%と全国平均並みです。
ただ、「スギ花粉症」は、全国平均の16.2%に比べて、4.7%と低く、沖縄、北海道に続いて3番目に少ない県です。

二見いすず: そうなんですか。

内薗明裕Dr: ただし、全国平均に比べて少ないものの、鹿児島でもスギ花粉症の患者さんは毎年、確実に増えてきています。
また、「ダニアレルギー」については、全国平均18.7%に比べて、30.8%と大変高く、47都道府県で堂々の1位という残念な結果が出ています。

二見いすず: それは、ショックですね。なぜ多いのでしょうね。

内薗明裕Dr: 鹿児島の高温多湿の気候や換気不足になりがちな住環境の変化などの要因が考えられます。

二見いすず: それはぜひ改善していきたいですね。
内薗さんありがとうございました。

内薗明裕Dr: ありがとうございました。