『アレルギー性鼻炎』 ゲスト:内薗明裕ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「アレルギー性鼻炎」について、鹿児島県医師会の内薗明裕(うちぞのあきひろ)ドクターにお話を伺っております。
内薗さん、今週もよろしくお願いいたします。

内薗明裕Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 本日は「花粉症」や「ダニアレルギー」などの「アレルギー性鼻炎」になってしまった場合の治療についてお願いいたします。

内薗明裕Dr: はい。
「アレルギー性鼻炎」は、花粉やダニなどのアレルギーの原因の除去や回避のほかに、薬で対処したり、治療したりする方法もあります。

二見いすず: どんな方法があるのでしょうか。

内薗明裕Dr: はい。
まず、薬を使って、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状を緩和する対症療法があります。
ここ数年で大変優秀な薬が開発されてきましたので、眠気などの副作用を気にせず、症状のコントロールがしやすくなっています。

二見いすず: そうなんですね。
ただ、対症療法ということは、完全に治るわけではないのですね。

内薗明裕Dr: はい。
根本的な治療になりますと、「免疫療法」といいまして、アレルギー反応のもとになるアレルゲン自体を体に投与して、次第に量を増やしていくことで、反応が起こらないように体を慣らしていく方法があります。

二見いすず: なるほど。
あえて体に投与するんですね。

内薗明裕Dr: はい。
特にスギ花粉症に対しては、大変有効とされていて、5年くらいかけて治療を続ければ、スギ花粉症自体を治療することが可能です。

二見いすず: 根気強く続ければ、治る可能性があるというのは、うれしいですね。

内薗明裕Dr: はい。
ほかに、手術を行って治療する方法もあります。

二見いすず: どんな手術を行うのですか。

内薗明裕Dr: 鼻の粘膜を炭酸ガスレーザーを使って焼く方法です。
ほかに、鼻の粘膜自体をはさみで切除したり、鼻の粘膜は残して中の骨だけを取り除いたり、鼻みずが出る反応を起こす神経を切断する方法もあります。

二見いすず: いろいろな方法があるのですね。
では、くしゃみ、鼻水、鼻づまりという「アレルギー性鼻炎」の症状が出たら、生活環境を見直すと共に、医療機関へ相談し、適した治療法を探すことがよさそうですね。

内薗明裕Dr: そうですね。
医療機関にご相談いただければ、鼻の中の診察や鼻水の中に出てくる細胞の種類の検査、血液検査や皮ふテストによるアレルゲンの確認などで、アレルギー反応の原因を探り、原因に応じた治療法や生活改善法を提案してくれると思います。

二見いすず: よく分かりました。
まずは、アレルギーの原因になる花粉やダニに注意を払いながら、アレルギーに負けない体作りや環境づくりを心がけていくことが大切だということ。
そして、症状が出てしまったら、医療機関で原因を探り、適切な治療を受けることが大切だということが分かりました。
内薗さん、4週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

内薗明裕Dr: ありがとうございました。