『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: いよいよ8月を迎え、夏も本番です。
さて今月は、「熱中症」について、鹿児島県医師会の有村敏明(ありむらとしあき)ドクターにお話を伺ってまいります。
有村さんよろしくお願いいたします。

有村敏明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 熱中症は、どのような症状のことを言うのでしょうか。

有村敏明Dr: はい。
熱中症は、気温が高くなると、体温の調節機能がおかしくなり、体内の水分やナトリウムなどの塩分のバランスがくずれ、発症する障害のことを言います。

二見いすず: なぜ、気温が高くなると、なぜバランスをくずしやすくなるのでしょうか。

有村敏明Dr: はい。
暑さや運動などで体温が上がり、その体温をうまく発散できなかった場合、体に熱がたまり、熱中症になってしまうのです。

二見いすず: なるほど。
汗をかくことなども大切なのでしょうか。

有村敏明Dr: そうですね。
ただし、汗と一緒に体からは水分や塩分が失われますから、うまく補給してあげないと、筋肉のひきつけや失神なども起こってきます。

二見いすず: それは大変ですよね。

有村敏明Dr: そうですね。
実は、熱中症が重くなると、最悪の場合は死にいたることもあるんですよ、

二見いすず: えっ、そんなこともあるのですね。

有村敏明Dr: そうなんです。
ですから、適切な予防法や応急処置を学んで、そういったことにならないよう、気をつけていただきたいですね。

二見いすず: よく分かりました。
では、熱中症が起こりやすいのは、気温が高くなったとき、と言っていいのでしょうか。

有村敏明Dr: そうですね。
ただし、外気温の上昇に加えて、急な温度変化や、湿度が高い、風が弱い、日差しが強いなどという環境的な条件が挙げられます。
また、激しい労働や運動によって体内にたくさんの熱がつくられると、暑い環境下に体が十分に対応できていない、という場面が生じて、熱中症を引き起こす原因になります。

二見いすず: 例えば、、

有村敏明Dr: そうですね。
例えば、工事現場、運動場、体育館、ご家庭のお風呂、気密性の高いビルやマンションの屋上なども起こりやすいですね。

二見いすず: なるほど。

有村敏明Dr: また、熱中症になりやすい人の例として、脱水症状のある人、高齢者、肥満の人、洋服を着込みすぎた人、運動不足の人、暑さに慣れていない人などが挙げられます。
また、もう一つぜひ覚えておいていただきたいのが、心疾患、糖尿病、精神神経疾患、広範囲の皮膚疾患なども「体温調節が下手になっている」状態、つまり、熱中症にかかりやすくなっている状態だということも知っておいていただきたいと思います。
心疾患や高血圧のお薬や飲酒も、自律神経に影響したり、脱水を引き起こしたりする場合があります。

二見いすず: なるほど。
よく分かりました。
来週も引き続き、「熱中症」について伺います。
有村さん、本日はありがとうございました。

有村敏明Dr: ありがとうございました。