『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 先週に続き、「熱中症」について、鹿児島県医師会の有村敏明(ありむらとしあき)ドクターにお話を伺ってまいります。
有村さん今週もよろしくお願いいたします。

有村敏明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、熱中症がどのようにして起こるのか、また、なりやすいタイプの人についてお伺いしました。
今週は、具体的な症状について、お願いいたします。

有村敏明Dr: はい。熱中症の症状は、3つの段階に分けられます。
まず、軽い症状としては、めまい・失神や筋肉痛・筋肉の硬直、大量に汗をかくことなどが挙げられます。
これらの軽い熱中症が、全体の約6割を占めています。

二見いすず: そうですね。
身近によく起こっているようです。
では、周りの人が熱中症になってしまったら、対処としては、どうすればよろしいのでしょうか。

有村敏明Dr: はい。
すぐに涼しい場所へ移動して、体を冷やすこと、水分を与えることが必要です。
衣服を脱がせて、体の熱を逃がすことを助けます。
露出した皮膚に水をかけて、うちわや扇風機であおぐことも効果的です。

二見いすず: ええ。

有村敏明Dr: それから、氷や冷たい缶ジュースなどを首や、足のつけね、わきの下にあてて、血液を冷やすことも大切です。
そばにつきそって、状態が悪くなりそうだったら、すぐに医療機関へ搬送してください。

二見いすず: よくわかりました。
では、次の段階の症状は・・・。

有村敏明Dr: はい。
頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感などです。

二見いすず: つまり、体がぐったりする、力が入らない、というようなことでしょうか。

有村敏明Dr: その通りです。
従来は、”熱疲労“と呼ばれている状態で、このような症状がありましたら、先ほど申し上げた対処をしつつ、すみやかに医療機関へ搬送することが必要です。

二見いすず: なるほど。
では最も重度の症状はどのようなものでしょうか。

有村敏明Dr: はい。
意識障害や痙攣、手足の運動障害などや、体温が非常に高くなったら、かなり重い状態だと思っていいでしょう。

二見いすず: 意識障害と言いますと・・・。

有村敏明Dr: 呼びかけや刺激に反応しない状態です。
また、体がガクガクとしたり、まっすぐ走れない・歩けないのも、非常に危険です。
意識障害があったら、救急隊へ連絡をし、ただちに医療機関へ連れていってください。

二見いすず: よく分かりました。
熱中症にもいろいろな症状があり、軽いものでしたら、涼しいところへ移動して、水分補給をしながら様子を見ること。
そして、さらに症状が悪化してきたら、すみやかに医療機関へお願いすることが大切なんですね。

有村敏明Dr: そうですね。
最悪の場合は、死にいたることもあることを知っていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
来週は、そのようなことにならないために、日常生活でできる予防について詳しくお伺いします。
有村さん、本日もありがとうございました。

有村敏明Dr: ありがとうございました。