『熱中症』 ゲスト:有村敏明ドクター



二見いすず: 8月は、「熱中症」について、鹿児島県医師会の有村敏明(ありむらとしあき)ドクターにお話を伺っています。
有村さん今週もよろしくお願いいたします。

有村敏明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 今週は、熱中症にならないために、日常生活でできる予防法についてお願いいたします。

有村敏明Dr: はい。
まず、基本的なことですが、暑さをさける工夫をしましょう。
例えば、屋外では日陰を選んで歩くとか、屋外での活動時にはテントを張ったり、軒を出して日陰を作ったりしましょう。
また、日傘を差すとか、帽子をかぶることも効果的です。

二見いすず: はい。
では、室内にいるときは、何かできることはありますか。

有村敏明Dr: はい。
お部屋には、すだれ、カーテンをつけ、直射日光を防ぎ、風通しをよくするように心がけてください。
また、エアコンを使用するときは、外気温との温度差が大きすぎると体に負担がかかりますので、温度設定に注意してください。
オフィスなどの広い部屋などでは、扇風機などを併用して対流させるのもいいでしょう。

二見いすず: よくわかりました。
今話題のクールビズなどはいかがでしょう。

有村敏明Dr: はい。
首周りをネクタイでしめると、胸の熱気や汗がでにくくなりますので、熱中症予防の観点からいっても、ノーネクタイは効果的です。
正装が必要なシーン以外は、クールビズを実践していただくといいと思います。

二見いすず: 環境だけではなく、熱中症予防にも効果的なんですね。

有村敏明Dr: そうですね。
また、熱中症予防には、なんといっても、こまめな水分補給が大切です。
実は、人間は、軽い脱水症状のときは、のどが渇いたなと感じないのです。
つまり、のどが渇くなと思うときは、かなり水分が失われていると思った方がいいでしょう。
ぜひ、こまめに水やお茶などの水分をとることを夏の習慣にしていただきたいと思います。

二見いすず: なるほど。
よくわかりました。

有村敏明Dr: また、気をつけていただきたいのが高齢者と子どもたちの熱中症です。

二見いすず: ええ。

有村敏明Dr: まず、高齢者は、体内の水分量は、若者に比べて減少しています。
つまり、高齢者は脱水症状になるリスクが高いのです。
また、暑さに対する感覚が鈍くなり、抵抗力も弱くなっていますので、熱中症にかかりやすいのです。

二見いすず: そうなんですね。

有村敏明Dr: 高齢者は寝る前に水分をとり、枕元にも水分をおいて就寝してください。
また、入浴時間もぬるめで短時間にすることを心がけてください。
高齢者は暑さを自覚しにくくなりますので、温度計などを部屋におき、ご家族が注意することも大切です。

二見いすず: お子さんについてはいかがですか?

有村敏明Dr: お子さんに関しても、体温調節機能が発達していないので、成人よりも注意が必要です。
水分補給や服装を注意して、熱中症から守ってあげてください。
特に、身長の低い幼児などは、道路の熱の影響を大人より受けやすくなります。
そういった視点も持っていただければと思います。

二見いすず: よく分かりました。
有村さん、今週もありがとうございました。

有村敏明Dr: ありがとうございました。