『皮膚疾患』 ゲスト:谷 暁子ドクター



二見いすず: 今月は、この時期に気をつけたい皮膚のトラブルについて、鹿児島県医師会の谷暁子(たに あきこ)ドクターにお話をおうかがいしています。
谷さん、今週もよろしくお願いいたします。

谷 暁子Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、この時期に多い、虫による皮膚のトラブルとして、チャドクガによるかぶれについて、うかがいました。
チャドクガは、数万本の目に見えないほど細かい毒針毛のある虫で、風で飛んできた毛に知らず知らずのうちに刺されているケースも多い、ということでしたね。

谷 暁子Dr: はい。そうなんです。
症状は、皮膚に赤い細かいブツブツが出て、チクチクしたかゆみを感じるのが特徴です。

二見いすず: 症状を感じたら、自分でかいたりせずに、医療機関へということでした。
それにしても、チャドクガの毒針毛は、目に見えないですし、風に乗って飛んでくるということですので、予防するのがなかなか難しいですね。

谷 暁子Dr: そうなんです。
洋服を着ていても、薄着だと、洋服の布を通り抜けて、皮膚をかぶれさせてしまうんです。

二見いすず: そうなんですね。

谷 暁子Dr: ただ、チャドクガが、サザンカやツバキに多いのはよく知られていますので、ご自宅にある場合には、早めに害虫駆除をしておくというのが有効な予防策の一つだと思います。

二見いすず: なるほど。

谷 暁子Dr: 庭木にあるサザンカやツバキにいる毛虫から、毒針毛が飛んできて肌に触れて赤くなる場合だけではなく、風に乗って飛んで来て、洗濯物に付いたものが、皮膚につくという場合もあるんです。

二見いすず: なるほど。
ご自分は木のそばにいなくても、そういった可能性もあるということですね。
ということは、やはり、事前の害虫駆除が大切ですね。

谷 暁子Dr: そうですね。
また、サザンカやツバキは、公共施設や公園、街路樹などに、多く植えられていますから、そういった木の近くを通らないということは、対策の一つとして考えられますね。

二見いすず: では、ご自分やご家族の、いつもの行動範囲などをチェックしてみるのもいいですね。

谷 暁子Dr: そうですね。
ご近所のスーパーに買物に行かれる道や、通勤・通学の道もチェックしてみてもいいと思います。
もし、そういった場所に、サザンカやツバキの木が植えてあったら、チャドクガによる皮膚炎を避けたい場合は、この時期はルートを変えるというのも、一つの方法かもしれません。

二見いすず: なるほど。

谷 暁子Dr: 何度も刺されると、アレルギー反応が強くなる場合もありますので、単なる虫による皮膚炎だ、と軽く考えずに、医療機関に相談して適切に治療し、予防対策も心がけていただきたいですね。

二見いすず: よくわかりました。
2週に渡り、この時期に多い虫による皮膚トラブルについて、お話を伺いました。
来週も引き続き、皮膚のトラブルについて、谷さんにお話をうかがいます。
本日はありがとうございました。

谷 暁子Dr: ありがとうございました。