二見いすず: | 今月は、「小児救急」について、鹿児島県医師会の松田幸久(まつだ ゆきひさ)ドクターにお話うかがっています。 松田さん、今週もよろしくお願いいたします。 |
松田幸久Dr: | よろしくお願いいたします。 |
二見いすず: | 今週は、小児救急にご相談の多い、事故の例についてお願いいたします。 |
松田幸久Dr: | はい。 小児救急では、お子さんが、間違って何かを飲み込んでしまう誤飲という事故が多いです。 |
二見いすず: | 飲み込むというと、どんなものでしょうか。 |
松田幸久Dr: | はい。多いのは、タバコです。 テーブルの上などにおいてあるタバコを子どもがかじったりするケースです。 タバコには、ニコチンが含まれていますから、心臓に影響を与えてしまいます。 ただし、ニコチン量については、火がついていないタバコの場合は、1本丸ごと食べるほどでなければ、大事にはいたりません。 だいたい、タバコ自体が苦いですから、子どもは、そんなには食べられませんね。 |
二見いすず: | そうなんですね。 |
松田幸久Dr: | ただし、とても注意が必要なのは、ジュースの缶などに吸殻を入れている場合です。 子どもがジュースだと思ってゴクッと飲んでしまうと、濃縮されたニコチンを飲んでしまうことになります。 その場合は、ニコチンの量も多量ですので、救急な対応が必要です。 |
二見いすず: | よくわかりました。 子どもの見えるところにタバコを置かないこと、また、吸殻の捨て方にも十分な注意が必要ということですね。 |
松田幸久Dr: | そうですね。 |
二見いすず: | ほかに間違って飲み込んでしまう物の例などありますか? |
松田幸久Dr: | はい。ボタン電池などを飲み込んでしまう場合もあります。 |
二見いすず: | そうですか。最近、多くの電化製品で使いますものね。 |
松田幸久Dr: | はい。電池を飲み込むと胃の中で腐食してしまう場合があります。 電池の置き場所をしっかり管理し、いつも数を把握しておくことも必要です。 |
二見いすず: | よく分かりました。 ほかに、事故で注意した方がいいものはありますか? |
松田幸久Dr: | はい。 お風呂の残り水での溺水も注意していただきたいことの一つです。 |
二見いすず: | ちょっと目を離したとき、お風呂場で子どもが遊んだりしますものね。 |
松田幸久Dr: | そうですね。 ふたをしていても、その上で遊んで落ちてしまったということもあります。 小さいお子さんがいるお宅では、とにかく残り湯をためたままにしないでください、とお願いしたいですね。 |
二見いすず: | わかりました。 |
松田幸久Dr: | もう一つ。 少し変わったケースですが、節分の豆まきをしていて、子どもがふざけて鼻の穴に大豆を入れて、とれなくなったということもありました。 |
二見いすず: | ああ、小さい子は遊んでしてしまいそうですね。 |
松田幸久Dr: | そうなんです。 楽しくてふざけてしまう気持ちはよく分かりますが、豆は鼻でなく、口で食べてくださいね、とお願いしたいと思います。 |
二見いすず: | よく分かりました。 今週も「小児救急」について、お話をうかがいました。 松田さん、ありがとうございました。 |
松田幸久Dr: | ありがとうございました。 |