『頭痛』 ゲスト:内村公一ドクター



二見いすず: 3月になりました。
今月は、頭痛についてお送りいたします。
お話は、鹿児島県医師会の内村公一(うちむらこういち)ドクターにうかがいます。
内村さん、よろしくお願いいたします。

内村公一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 頭痛とひとくちに言いましても、いろいろなタイプがあるそうですね。
どういう種類があるのでしょうか。

内村公一Dr: はい。
頭痛を大きく2つに分けると、「脳や体の病気が原因で起こる頭痛」と「頭痛もちの頭痛」に分けられます。

二見いすず: 病気が原因で頭が痛くなる場合と、頭や体に原因がなく、頭痛そのものが病気で、頭が痛くなる場合があるということですね。

内村公一Dr: その通りです。
病気が原因の場合で言いますと、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎などがあります。

二見いすず: 命に関わるような重大な病気と関係があるんですね。

内村公一Dr: そうなんです。
一方、頭痛を訴える患者さんの90%は、「頭痛もちの頭痛」です。
例えば、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛が代表的です。

二見いすず: 実は、9割は原因となる病気がない頭痛、ということですね。

内村公一Dr: そうですね。
しかし、そこで注意していただきたいのが、重大な病気が原因で頭痛が起きているのに、患者さんご自身の判断で、ただの頭痛と思い込んでしまうことです。

二見いすず: なるほど。
それはありそうですね。
「ちょっと時間がたてば治るわ」と思ってそのままにしてしまいそうです。
頭痛には、重大な病気が隠れているかもしれないということを意識しておくべきですね。

内村公一Dr: その通りです。
頭痛は、痛みの強さや起こり方に特徴があるので、脳神経外科や神経内科を受診すると、問診などで、脳の病気が隠れているかどうかの予測をすることができます。
もちろん、病気が疑われる場合は、問診や診察だけではなく、精密検査を受けていただきます。
頭痛が気になる方は一度受診されることをおすすめします。

二見いすず: なるほど。
たかが頭痛と思うことが一番怖いですね。
いつもと違う頭痛を感じたら、自己判断せずに、脳神経外科や神経内科などの専門医に判断していただくことが大切ですね。

内村公一Dr: そうですね。
脳や神経の病院というと、「敷居が高そう」「よく分からない」と敬遠されがちですが、頭痛をそのままにしておいて、重大な病気に気づかずにいることの方が、怖いことだと思います。
最近は検査技術も進歩し、短時間で検査できるものも多いですので気軽に相談してみてください。

二見いすず: わかりました。
気になる頭痛を感じたら、簡単に自己判断しないで、まずは専門医へ、ということですね。

内村公一Dr: そうですね。
例え病気が原因でなく「頭痛もちの頭痛」であっても、頭痛の種類によって、効果のあるお薬や治療法も違ってきますので、一度ご自分の頭痛について、しっかり知っておくと、効果的な対処方法が分かるのでいいと思いますよ。

二見いすず: よくわかりました。
頭痛には、病気が原因で頭が痛くなる場合と、頭痛そのものが病気で、頭が痛くなる場合があるということ。
そして、自己判断せずに、専門医で重大な病気が隠れていないかを判断していただくことが大切ということが分かりました。
来週はさまざまな頭痛についてより詳しくうかがっていきます。
お話は、鹿児島県医師会の内村公一(うちむらこういち)ドクターでした。
ありがとうございました。

内村公一Dr: ありがとうございました。