『頭痛』 ゲスト:内村公一ドクター



二見いすず: 今月のテーマは「頭痛」です。
お話は、鹿児島県医師会の内村公一(うちむらこういち)ドクターです。
内村さん、今週もよろしくお願いいたします。

内村公一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、頭痛には2通りあり、病気が原因で頭が痛くなる場合と、頭痛そのものが病気で、頭が痛くなる場合があるということでした。

内村公一Dr: そうですね。

二見いすず: では、今週はまず、病気が原因で起こる頭痛についてお話を伺いたいと思います。
先週のお話ですと、頭痛と関係のある病気は、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎などがあるということでした。

内村公一Dr: そうですね。
まず、くも膜下出血について、お話したいと思います。
くも膜下出血は、突然、後頭部をバットで殴られたような、激しい痛みを感じます。
原因のほとんどは、血管にできたこぶが破裂しておこるものです。
頭痛と同時に吐き気や嘔吐があり、ひどいときには即死につながる場合もあります。

二見いすず: 突然に起こる激しい後頭部の痛みは、要注意ということですね。

内村公一Dr: そうですね。
また、くも膜下出血を起すと、短期間のうちに再出血する可能性が高いので、突然バットで殴られるような激しい頭痛を感じたら、早急に医療機関を受診してください。

二見いすず: わかりました。
そのほかの病気についてはいかがですか。

内村公一Dr: はい。
次に、「脳出血」についてお話します。

二見いすず: お願いします。

内村公一Dr: 脳出血は、高血圧のためにもろくなった血管が破れて、脳内へ出血する病気です。
頭痛の起こり方としては、こちらも突然です。
さっきまで元気にしていた人が突然倒れたりします。

二見いすず: えっ、そうなんですか。

内村公一Dr: そうなんです。
頭痛以外の症状としては、脳の中で出血する場所によって、手足のしびれ、麻痺、ろれつが回らないなどの症状が出てきます。

二見いすず: わかりました。
ではそのほかには・・・。

内村公一Dr: はい。
脳腫瘍は、朝目覚めたときに強い頭痛があるのが特徴です。
腫瘍が大きくなるにつれて痛みが増し、吐き気や嘔吐を伴うようになります。
腫瘍ができる場所によっては、手足のマヒやけいれん、目が良く見えない、などの症状が現れます。
また、髄膜炎は、38度以上の高熱が続き、頭全体がガンガン強く痛みます。
治療が遅れると後遺症が残ってしまう場合もあります。
高熱と頭痛が3日以上続いたら、髄膜炎かもしれません。

二見いすず: よくわかりました。

内村公一Dr: ほかにも、ご高齢の方に多い慢性硬膜下血種があります。
これは、頭部の打撲が原因となり、1,2ヵ月後に脳と頭蓋骨の間に血液がたまってしまう病気です。
ご本人がよく覚えていない程度の軽い打撲でも起こることがあります。
頭痛のほかに、手足のマヒや物忘れなどを伴うこともあります。

二見いすず: よくわかりました。
頭痛には病気が隠れている可能性があるので、専門医へご相談下さい。
お話は、鹿児島県医師会の内村公一(うちむらこういち)ドクターでした。
ありがとうございました。

内村公一Dr: ありがとうございました。