『頭痛』 ゲスト:内村公一ドクター



二見いすず: 4週にわたり、「頭痛」についてお話を伺っています。
最終日の今日も、お話は鹿児島県医師会の内村公一(うちむらこういち)ドクターです。
内村さん、今週もよろしくお願いいたします。

内村公一Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は慢性頭痛の中でも最も多い、緊張型頭痛について詳しくうかがいました。
今週は、慢性頭痛の一つ、片頭痛についてお願いいたします。

内村公一Dr: はい。
片頭痛は、日本では15歳以上の約8.4%に当たる、840万人が悩んでいるといわれています。
特に、20代から40代の子育て世代の女性に多く、30代の女性では5人に一人が悩んでいるといわれています。

二見いすず: そんなに多くの方が悩んでいるとは驚きました。
症状はどんなものでしょうか。

内村公一Dr: そうですね。
一度頭痛が起こると、数時間から2、3日間、ズキンズキンと脈を打つようにひどく痛み、多くは日常生活に支障をきたします。
ときには吐き気や嘔吐を伴うこともあります。

二見いすず: 日常生活に支障をきたすとは大変ですよね。
原因は何でしょうか。

内村公一Dr: そうですね。
頭の血管が拡張して神経を刺激して起こると考えられています。
ですから、お酒を飲んだり、お風呂に入って血行がよくなったりすると、痛みが増す場合があります。
また、寝不足や寝すぎなど、生活のリズムが変わったときにおこることも多いようです。
女性は生理とも関係があるといわれています。

二見いすず: よく分かりました。
治療法はあるのですか。

内村公一Dr: はい。
痛みがひどくならないうちに、鎮痛剤を服用すると、ほとんどの場合、頭痛は改善します。
しかし、薬を服用するタイミングが遅れたり、頭痛の程度が激しいときには、あまり効果がみられません。
このような時には、拡張した血管を収縮させる片頭痛の専門治療薬が有効です。

二見いすず: なるほど。
片頭痛にお悩みの方は、一度専門医に相談されて、お薬との付き合い方もしっかり学ばれるといいですね。

内村公一Dr: そうですね。

二見いすず: 慢性頭痛は、ほかには・・・。

内村公一Dr: はい。群発頭痛があります。

二見いすず: それはどういった頭痛なのでしょうか。

内村公一Dr: はい。
群発地震のように、一度起きてしまうと、1,2ヶ月毎日のようにおこる頭痛です。
男性に多く、片方の目の奥を焼け火箸でえぐられるような痛みが一時間ほど続きます。

二見いすず: えっ、それは随分痛そうですね。

内村公一Dr: そうですね。
夜中や明け方に起きることも多いため、夜眠るのが怖いとおっしゃる方もいます。
片頭痛と同様に、こちらも、血管を収縮させる薬で緩和することができます。
昨年から自宅で注射できるキットが登場し、ずいぶん楽になったという患者さんの声もあります。
詳しくは専門医へお尋ねください。

二見いすず: よく分かりました。
頭痛について4週にわたり伺いました。
まず、頭痛には病気が隠れている場合があることを認識し、気になるときは専門医に相談して早めに治療すること。そして、頭痛もちの頭痛に関しても、自分の頭痛の特徴を知り、適した対処法をとることが大切だと知りました。
内村さん、ありがとうございました。

内村公一Dr: ありがとうございました。