『うつ病』 ゲスト:市場美緒ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」をテーマにお送りしています。
先週に引き続き、お話は、鹿児島県医師会の市場美緒(いちばみお)ドクターです。
市場さんよろしくお願いいたします。

市場美緒Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 前回、「うつ病」について、代表的な症状などをうかがいました。
ショックなことがあったとき、落ち込んだまま、なかなか立ち直れない状態が続く病気ということでしたね。

市場美緒Dr: はい。
「うつ病」になるきっかけとしては、大切な人を亡くしたり、長年一生懸命に続けてきた仕事を辞めたりするなどの、喪失体験が多いようです。

二見いすず: そうなんですね。
最近、以前に比べて「うつ病」をよく耳にするような気がするのですが、かかってしまう方はどのくらいいるのでしょうか。

市場美緒Dr: はい。
医学的な定義でいう「うつ病」だと、日本人の男性で一生のうちに「うつ病」にかかるのは10人に1人、女性では5人に1人という統計もあります。

二見いすず: えっ、そんなに多いのですか。

市場美緒Dr: はい。
ただし、ご自分が「うつ病」だと気づかないうちに治ってしまうケースなどもありますので、厳密には言えませんが、決して特別な病気ではないということは言えると思います。

二見いすず: なるほど。誰にでも起こりうる病気なんですね。
では、「うつ病」は喪失体験がきっかけになって起こると伺いました。
もしも同じようなことがあっても、うつ病になる人とならない人がいるのではないでしょうか。

市場美緒Dr: そうですね。
確かに、ショックなことがあっても、「うつ病」になる方とそうでない方がいます。
それは、体質的なものもありますし、性格的なものもあると思います。

二見いすず: 性格的なものといいますと、どのようなタイプですか?

市場美緒Dr: はい。
一般的に、「うつ病」になりやすいのは、まじめな方、几帳面な方、完ぺき主義の方などと言われています。

二見いすず: そうなんですね。
がんばりすぎて知らず知らずのうちに、ストレスをためこんでしまっているかもしれませんね。

市場美緒Dr: はい。
ストレスをためすぎていると、ショックなことが起こったときに、心が耐え切れずに、あふれ出てしまって「うつ病」になりやすい、ということもあるようです。

二見いすず: なるほど。
では、「うつ病」のひとつの予防法としては、日々、一生懸命に頑張る中でも、適度な息抜きを心がけたり、リラックスする時間をもったりして、ストレスをためすぎない生活を、ということはいえるかもしれませんね。

市場美緒Dr: そうですね。
予防法のひとつとして考えてみてもいいかもしれません。
また、最近の傾向ですが、経済不況に関して、リストラや就職難が悩みのもととなって、「うつ病」になるケースもあるようです。

二見いすず: なるほど。
社会の動きも関係しているのですね。
私たちの身近にあるいろいろな要素が、「うつ病」に関係していることがよくわかりました。
お話は、市場美緒(いちばみお)ドクターでした。
ありがとうございました。

市場美緒Dr: ありがとうございました。