『うつ病』 ゲスト:市場美緒ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、「うつ病」をテーマにお送りしています。
先週に引き続き、お話は、鹿児島県医師会の市場美緒(いちばみお)ドクターです。
市場さんよろしくお願いいたします。

市場美緒Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 前回まで2週にわたり「うつ病」について、代表的な症状や原因となるきっかけ、そしてかかりやすいタイプについてうかがいました。
では、実際に「うつ病」にかかったときの対処法について、お願いいたします。

市場美緒Dr: はい。
「うつ病」になったら、まず、意欲低下や不眠、食欲不振などの症状が出てくると思います。
これらの症状を感じて「もしかしたらうつ病かも・・・」と思われたら、まずは早めの専門医受診をおすすめしたいと思います。

二見いすず: なるほど。早めがいいのですね。

市場美緒Dr: はい。
「うつ病」についても、早期受診・早期治療が大切です。
「うつ病」にかかる方は、まじめな方が多いと言われていますので、「このくらいで病院へ行ってはいけないのでは」という方も多いようです。
我慢せずにまずはご相談をしていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
うつ病も早期発見・早期治療が大切ですね。

市場美緒Dr: はい。
「うつ病」の治療は、安静・休養と、薬物治療の2つの柱があります。
これまでの環境から離れてゆっくりとしていただくこと、そして、脳の中で減ってしまっているセロトニンやノルアドレナリンという物質をお薬で補っていく治療を行います。

二見いすず: なるほど。

市場美緒Dr: 「うつ病」の薬は、いろいろなタイプのものが出ていますので、患者さんに合うものを探して処方します。
治療法もずいぶん進んでいますので、一部の例外を除いて、「うつ病」は治る病気であることを、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います。

二見いすず: そうなんですね。
でも、自分が「うつ病」であることは、なかなか認めにくいところもあるかもしれませんね。

市場美緒Dr: そうなんです。
気分が落ち込んでいる状態ですし、ちょっとした出来事でも自分を責めたり、自分に価値がないような気がしたりするので、病院へもなかなか足を運ぶのも難しいかもしれません。

二見いすず: そうなると、周囲のサポートも重要になってきますね。

市場美緒Dr: そうなんです。
ご家族や友人、同僚などで、「気持ちが落ち込む」「意欲がなくなる」「考えが前に進まなくなる」「何かを一生懸命やろうとするけれども上手くいかない」とか、また、「眠れなくなる」「食欲がなくなる」「胸がムカムカする」などの身体症状があり、「うつ病かもしれない」と思ったら、病院へ行くアドバイスをしてあげるといいと思います。

二見いすず: そうですね。
なかなかデリケートな問題ですが、もともと理性的でまじめな方も多いと思いますので、「病院へ行った方がいい」とお話すれば分かってくださるかもしれませんね。

市場美緒Dr: そうですね。
「うつ病」の場合、重いケースでは「死にたい気持ち」になってしまうケースもあるので、ぜひ完治を目指して治療していただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
お話は、市場美緒(いちばみお)ドクターでした。
ありがとうございました。

市場美緒Dr: ありがとうございました。