『うつ病』 ゲスト:市場美緒ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、今年の7月22日に鹿児島県の十島村などで見られる皆既日食現象について、知っておきたい眼のお話を、鹿児島県医師会の坂元有至(さかもとゆうし)ドクターにうかがっています。
坂元さん今週もよろしくお願いいたします。

坂元有至Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 皆既日食がいよいよ約一ヶ月後に迫ってきました。
これまでの放送で、太陽光線は直接肉眼で見ると、眼の奥がやけどをしてしまい、重い場合は、視力障害が残ってしまうことを伺いました。

坂元有至Dr: そうですね。
太陽光線には、明るさを感じる可視光線のほかに、紫外線、赤外線も含まれていること、そして、これらが眼の奥のやけどの原因になることをお話しました。

二見いすず: なるほど。よくわかりました。
では、重い日食網膜症にならないために、どういった対策をすればよいのでしょうか。

坂元有至Dr: はい。まず、太陽を肉眼で直視しないということです。
そして、見る必要がある場合は、太陽を観察するのに適した、日食専用のグラスを使うことをおすすめします。

二見いすず: 日食専用のグラスとは、どういうものでしょう。

坂元有至Dr: はい。
これは、安全性を考慮した遮光プレートを使用してあり、遮光性能が高く、可視光線透過率・紫外線透過率・赤外線透過率などを考えて作られているようです。
こういった専用のものを使うと、いいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
日食を見るときは、決して肉眼で見ないようにして、日食グラスを使うように心がけたいと思います。

坂元有至Dr: そうですね。

二見いすず: 昔、日食を見るときに、黒く塗った下敷きで見るという話を聞いたことがあるのですが、これはいかがでしょうか。

坂元有至Dr: はい。
太陽は、明るい可視光線のほかに、眼に見えない紫外線、赤外線が含まれており、眼の奥をやけどさせる原因になっています。
黒く塗った下敷きですと、まぶしい可視光線から眼を守ることはできますが、紫外線、赤外線をブロックする機能は少ないため、日食網膜症を防ぐことはできません。

二見いすず: なるほど。
まぶしさをさえぎっているだけなんですね。

坂元有至Dr: そのとおりです。
まぶしさをさえぎることで、眼の瞳孔が開き、より紫外線や赤外線の影響を受けやすくなってしまいます。
黒く塗った下敷きで太陽を見ることは危険だということをぜひ知っていただきたいですね。

二見いすず: なるほど。よくわかりました。

坂元有至Dr: やはり、日食を見る場合は、紫外線や赤外線を適切にブロックする機能を持った日食グラスを使うように心がけていただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
お話は、鹿児島県医師会の坂元有至(さかもとゆうし)ドクターでした。
来週も引き続きよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

坂元有至Dr: ありがとうございました。