『性感染症』 ゲスト:堂園光一郎ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは、性感染症について鹿児島県医師会の堂園光一郎(どうぞのこういちろう)ドクターにうかがいます。
堂園さん今週もよろしくお願いいたします。

堂園光一郎Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、性感染症の中でも多く見られる「クラミジア感染症」についてお話をうかがいました。
では、ほかに多い病気は何でしょうか。

堂園光一郎Dr: はい。「性器ヘルペス」も多いですね。

二見いすず: ヘルペスというと、口のまわりにできたりする、ヘルペスと同じようなものでしょうか。

堂園光一郎Dr: そうですね。
感染すると、外陰部に、かゆみと痛みのある水疱が現れます。
原因は、単純ヘルペスウイルスの感染です。

二見いすず: かゆみと痛みのある水疱ができるのですね。

堂園光一郎Dr: はい。
実は、この病気は潜伏期間があり、数日から一週間後に水疱現れます。
水疱が破れてしまうと、激しい痛みや発熱にもつながることもあります。
この「性器ヘルペス」という病気は、ウイルスが体に住み着いたら、再発を繰り返すという特徴もあるんですよ。

二見いすず: えっ、そうなんですか。

堂園光一郎Dr: そうなんです。
一度感染すると、体力がおちているときや、月経・妊娠時に再発を繰り返すこともあります。
出産時に母子感染し、新生児ヘルペスをもたらす危険性もあります。

二見いすず: そうなんですね。
では、治療はどのように行われますか。

堂園光一郎Dr: はい。こちらも抗ウイルス薬で治療を行います。

二見いすず: わかりました。
そのほか「尖形(せんけい)コンジローム」はどんな病気でしょうか。

堂園光一郎Dr: はい。
こちらは、陰部に小さなイボがたくさんできる病気です。

二見いすず: どのような治療が行われるのでしょうか。

堂園光一郎Dr: はい。
イボ自体は悪性ではないのですが、切除する場合は、レーザーや液体窒素で行います。
最近では、塗って治療する軟膏なども出てきています。

二見いすず: わかりました。

堂園光一郎Dr: こちらも潜伏期間が長いため、知らず知らずのうちにパートナーへ感染させるケースもあります。
原因となるヒトパピロマウイルスは子宮頸がんとの関わりも指摘されているので、注意が必要です。

二見いすず: では、そのほかの病気についても教えてください。

堂園光一郎Dr: はい。
トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫が膣や膀胱に寄生して起こるもので、女性はおりものやかゆみを感じます。
また、淋病は、淋菌が原因です。
これは感染力が強く、感染すると不妊症につながる可能性もあります。
いずれも抗生物質で治療を行います。

二見いすず: よくわかりました。
今週は、「性感染症」についてお話をうかがいました。
お話は、鹿児島県医師会の堂園光一郎(どうぞのこういちろう)ドクターでした。
ありがとうございました。

堂園光一郎Dr: ありがとうございました。