『熱中症』 ゲスト:吉原秀明ドクター



二見いすず: 今月のドクタートークは3週にわたり、「熱中症」について鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターにうかがいます。
吉原さん、今週もよろしくお願いいたします。

吉原秀明Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: これまで2週にわたり、熱中症が起こる仕組みと症状、そして症状に合わせた対処法を伺ってきました。
最終日の今日は、予防について伺いたいと思います。

吉原秀明Dr: はい。
まず、炎天下でスポーツをしているとき、暑い日の屋外労働、高温の車内にいるときなどに熱中症が起こりやすいということを知っておいていただきたいと思います。

二見いすず: はい。

吉原秀明Dr: 熱中症の具体的な予防法としては、基本的なことですが、暑い日は炎天下に長くいないこと。
日陰などを見つけて、こまめに体を休めてください。
また、日傘・帽子を利用すること。服装などもクールビズなどで涼しく過ごす工夫をしてください。

二見いすず: 分かりました。

吉原秀明Dr: また、とても大切なのがこまめな水分補給です。
汗で体から失われる塩分・水分を補給することが大切です。
スポーツドリンクですと、塩分と水分を両方とれるので便利かもしれません。

二見いすず: なるほど。
のどの渇きについて、のどが渇いたなと自覚する前から、気づかないうちに体の水分が足りなくなってきているということを聞いたことがあるのですが。

吉原秀明Dr: そうですね。
できれば、今日は熱中症になりそうな日だなと思ったら、そういった状態になる前に、30分ごとに水分をとるとか、前もって予防することを習慣にしていただけるといいのですが。

二見いすず: なるほど。よくわかりました。

吉原秀明Dr: また、意外に思われるかもしれませんが、ご年配の方は、部屋の中でも熱中症になる場合もあることも知っておいていただきたいですね。

二見いすず: えっ、部屋の中で、ですか。

吉原秀明Dr: はい。
ご年配の方は、加齢により、暑さを感じにくくなってきます。
また、汗をかくなどの体温調節機能も低下してきますので、知らず知らずのうちに熱中症になってしまったということもありえます。
年配の親ごさんが一人暮らしをされている方は、電話をかけて「水分をこまめにとるといいよ」と熱中症についての注意を促してみるといいかもしれません。

二見いすず: よくわかりました。

吉原秀明Dr: はい。
また、例年、車の中に幼児を乗せたままにしておいて、熱中症で死亡させてしまういたましい事故が後を絶ちません。
短時間でも車の中は大変温度が上がりますので、絶対に車内にお子さんを放置しないように注意していただきたいと思います。
また、部活動などで指導者の方などは、一人ひとりの選手に個人差があることを認識し、集団で無理な運動を強制せず、水分・塩分補給や適度な休息など、熱中症対策を考えていただきたいと思います。

二見いすず: 3週にわたり「熱中症」についてお話をうかがいました。
お話は、鹿児島県医師会の吉原秀明(よしはらひであき)ドクターでした。
ありがとうございました。

吉原秀明Dr: ありがとうございました。