「新型インフルエンザ」 ゲスト:西順一郎ドクター



二見いすず: 新型インフルエンザについて、鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターにお話を伺っています。
西さん、最終日の今日もよろしくお願いいたします。

西 順一郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 先週は、新型インフルエンザの感染予防についてうかがいました。
本日は、ワクチンの接種についてうかがいたいと思います。
やはりワクチンを打っておくと、効果はあるのでしょうか。

西 順一郎Dr: はい。
新型インフルエンザのワクチンは、発症を防止したり、発症しても重症化しないという効果が期待されていますので、持病を持っている方や、妊婦さん、乳幼児、高齢者の方などのハイリスクの方は特に打つことをお勧めしたいと思います。
もちろん、それ以外の方もワクチン接種をおすすめします。
ただし接種部位のはれや発熱など、一過性の副反応が出ることがあることも知っておいてください。

二見いすず: わかりました。

西 順一郎Dr: ただし、新型インフルエンザのワクチンは数に限りがあり、優先接種の順番が決まっています。
妊婦や持病のある方が優先接種となっていますので、詳しくはお近くの保健所にお尋ねください。

二見いすず: わかりました。
では、実際に感染してしまった場合の治療法についても教えてください。

西 順一郎Dr: インフルエンザは、実は薬を飲まなくてもほとんどが自然によくなる病気です。
健康な方は自宅療養でなおるケースがほとんどですので、医療機関の混乱を防ぐためにも、症状が軽い場合は、急いで受診する必要はないと思います。
しかし、持病がある方、妊婦さん、乳幼児、高齢の方などのハイリスク者は早めの受診が必要です。
そして、それ以外の方でも息切れ、呼吸困難、意識障害などの重症化の兆候があったら、急変する場合もありますので急いで医療機関で治療を受けて下さい。

二見いすず: わかりました。
息切れ、呼吸困難、意識障害などの重症化の兆候を見逃さないことが大切ですね。
では、医療機関ではどのような治療が行われるのですか。

西 順一郎Dr: 新型インフルエンザの治療は、タミフル、リレンザなどの抗インフルエンザ薬を、医師が必要と認めた場合に投与します。
また、症状を緩和させる目的で、かぜ薬や解熱剤などが処方されます。
子どもの解熱剤は、アセトアミノフェンという子どもに適した解熱剤を使用します。
ボルタレンなどの強い解熱剤を使用するとインフルエンザ脳症など重症化のリスクが高まることも知っておいてください。

二見いすず: わかりました。
いずれにしても、薬を使う場合は、医療機関を受診して、適切な薬を処方していただくことが必要ですね。

西 順一郎Dr: その通りです。

二見いすず: では、健康な人で重症化の症状が見られなかった場合、どのくらい自宅療養すればばいいでしょうか。

西 順一郎Dr: はい。
インフルエンザの感染力があるのは発症翌日から約7日間といわれていますので、約1週間は自宅待機で、どうしてもというときは、少なくとも解熱後2日間は外出を控えていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
4週にわたり、貴重なお話をありがとうございました。

西 順一郎Dr: ありがとうございました。