『摂食障害』 ゲスト:武井美智子ドクター



二見いすず: 今月は『食中毒』をテーマにお聞きします。
お話は、鹿児島県医師会の鮫島幸二(さめしまこうじ)ドクターです。
鮫島さん、よろしくお願い致します。

鮫島幸二Dr: はい、よろしくお願い致します。

二見いすず: 今月のテーマは食中毒ですが、そろそろ心配なシーズンですね。
まず、主な原因から教えていただけますか?

鮫島幸二Dr: はい。
食中毒の原因になるものは細菌やウイルス、有毒物質などがあります。
食中毒はその原因となる細菌やウイルスが付着した食品や、有毒・有害な物質が含まれた食品を食べることによって、腹痛・下痢などの健康被害が起こすことをいいます。

二見いすず: なるほど。
では、食中毒にはどんな種類があるのでしょうか?

鮫島幸二Dr: はい。
ブドウ球菌やボツリヌス菌など、細菌の出す毒素による中毒と、病原性大腸菌・サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクターなど感染して胃腸炎をおこすもの、そしてノロウイルスなどのウイルス感染によるものがあります。

二見いすず: なるほど。

鮫島幸二Dr: ほかに、毒キノコとかフグ毒などの自然毒によるもの、農薬や殺虫剤などの化学物質によるもの、寄生虫によるものなどがあります。

二見いすず: よくわかりました。
一言で食中毒と言っても、様々な種類があるんですね。
鹿児島の食中毒の傾向とか、そういったものはあるんでしょうか?

鮫島幸二Dr: 「平成20年度の都道府県別食中毒発生件数」を見ると、鹿児島県は合計7件発生していて、全国の順位では下から4番目と少ないようです。

二見いすず: :発生件数は少ない方なんですね。
どんな例が報告されていますか?

鮫島幸二Dr: ここ10年間での食中毒の届け出のあった事例を見てみますと、微生物による食中毒の原因としてはノロウイルス、サルモネラ菌、カンピロバクターが大部分を占めます。
ノロウイルスは秋から冬にかけて急性胃腸炎をおこす風邪としても流行しますので、家庭での食中毒との区別は難しいのですが・・・。

二見いすず: そうなんですね。

鮫島幸二Dr: はい。
鹿児島県の「家庭」での食中毒は、自然毒によるものとサルモネラ菌による食中毒が多いようです。
サルモネラ菌は生卵や鶏肉に付着していることがありますので、食中毒の可能性を考えると、生卵や鳥刺しなどは、お子さんやお年寄りは、避けた方がいいかもしれません。

二見いすず: よくわかりました。
梅雨時期は、肉やお魚などの生鮮食品も腐敗しやすくなりますので、注意が必要ですね。

鮫島幸二Dr: そうですね。
気温も湿度も高くなり、細菌にとっては最適な環境が整う梅雨時は、食中毒発生の最盛期になりますので充分な注意が必要です。

二見いすず: よくわかりました。
食中毒を起こさないためには、まずその原因を知り、しっかりとした予防を行うことが大切です。
来週は、家庭でできる食中毒予防のポイントについて詳しくお聞きしたいと思います。
鮫島さん、どうもありがとうございました。

鮫島幸二Dr: ありがとうございました。