二見いすず: | 9月になりました。 今月のドクタートークは、「禁煙」をテーマにお送りします。 お話は、鹿児島県医師会の村上直樹(むらかみなおき)ドクターです。 村上さん、よろしくお願い致します。 |
村上直樹Dr: | よろしくお願い致します。 |
二見いすず: | 今月のテーマは「禁煙」ですが、私の周りでは禁煙がずいぶん広がって、タバコを吸う方も少なくなったような気がします。 |
村上直樹Dr: | そうですね。 近年、禁煙意識がずいぶん高まってきたと思います。 企業や公共施設、レストランなどでも、タバコを吸えない全面禁煙のお店や施設も増えており、鹿児島市でも「たばこの煙のないお店」という冊子も発行しています。 |
二見いすず: | なるほど。 一方で、タバコを止めようと思ってはいるけれど、なかなか止められないという人もまだ大勢いらっしゃるようです。 ここで、禁煙のきっかけになるように、タバコと病気の深刻な関係について、あらためてお話を伺いたいと思います。 |
村上直樹Dr: | はい。 タバコの煙の中には、ニコチンのほかにタールや一酸化炭素、アンモニアなど、さまざまな癌の原因となる成分がたくさん含まれています。 これらが、肺にこびりついたり、免疫力を低くしてしまったりして、さまざまな病気を引き起こすのです。 |
二見いすず: | 恐ろしいですね。 |
村上直樹Dr: | そうですね。 具体的な病気で言いますと、タバコを吸う人は、食道ガンや心筋梗塞になる確率が、吸わない人の2倍になるという報告があります。 |
二見いすず: | 食道ガンや心筋梗塞は、吸わない人の2倍・・・。 |
村上直樹Dr: | そうなんです。 ほかにも、吸う人は吸わない人に比べて、肺ガンになる確率は5倍、喉頭ガンといって、声を出すところのガンになる確率は、なんと30倍以上にもなるんです。 |
二見いすず: | そんなに影響があるとは、とても驚きました。 |
村上直樹Dr: | タバコが原因で引き起こされる病気を“タバコ病”というのですが、これで亡くなる人が日本だけでも1年間に11万人と言われています。 これは、交通事故死のなんと15倍にも上っているのですよ。 |
二見いすず: | えっ、それはすごい数字ですね。 |
村上直樹Dr: | また、タバコを1本吸うごとに寿命が5分縮むというデータが、イギリスの医師と名古屋で日本人を対象とした研究として発表されています。 |
二見いすず: | えっ、1本で5分ですか。 |
村上直樹Dr: | はい。 つまり、1日に1箱ずつ吸っていきますと1日で100分、つまりサッカーの1試合分寿命が縮まることになります。 1年間では25日、つまり、約1か月分寿命が縮まるということです。 |
二見いすず: | それはショッキングなお話ですね。 タバコが健康に与える影響を知り、禁煙のきっかけにしていただきたいと思います。お話は村上直樹ドクターでした。 ありがとうございました。 |
村上直樹Dr: | ありがとうございました。 |