二見いすず: 二見いすず:今月のドクタートークは、「目の病気」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の土居範仁(どいのりひと)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

土居範仁Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、糖尿病が原因で起こる目の病気「糖尿病網膜症」について、早期に発見して、血糖をコントロールする事がなにより大切であるとうかがいました。
今週は、糖尿病網膜症の治療について、詳しく伺いたいと思います。

土居範仁Dr: はい。
先週、糖尿病によって、網膜の広い範囲で血管が詰まると、新生血管という異常な血管がでてきて、それが病気を悪化させてしまうとお話ししました。
この新生血管を抑える治療法に網膜光凝固があります。
この治療は、レーザー光を照射し、熱で網膜を焼いてしてしまう治療法です。

二見いすず: すごいですね。
レーザー光線で網膜を凝固させてしまうのですね。

土居範仁Dr: そうです。
この治療で、病気の進行を抑えることができるのです。

二見いすず: なるほど。

土居範仁Dr: 実は、この治療について、一つ知っておいていただきたいことがあります。

二見いすず: はい。どのようなことでしょうか?

土居範仁Dr: 病院に行ってこのレーザー治療をしたら、さらに見えにくくなったという患者様がいらっしゃることです。

二見いすず: それはどうしてなのでしょうか。

土居範仁Dr: はい。
レーザー治療は、網膜に異常な血管を増やさないために網膜を熱で凝固させる治療です。
つまり、網膜を焼くのですから、場合によっては、以前よりも見えにくくなったという症状が出てくる場合があるのです。

二見いすず: なるほど。

土居範仁Dr: こういった症状が出てくるのも、レーザー治療について、少し誤解があるからです。

二見いすず: 誤解、といいますと・・・。

土居範仁Dr: この網膜光凝固というレーザー治療は、糖尿病網膜症の進行を抑える治療であって、目の見え方をよくする治療ではないことを知っていただきたいと思います。

二見いすず: なるほど。

土居範仁Dr: 病気の進行を抑えずに放置しておくと、失明につながる病気であることは確かです。
つまり、レーザー治療は、以前より見えにくくなったとしても、失明を防ぐにはやむを得ない治療なのです。

二見いすず: よくわかりました。
本日も、糖尿病と目の病気をテーマに、糖尿病網膜症の治療法を中心にお話をうかがいました。
お話は、鹿児島県医師会の土居範仁(どいのりひと)ドクターにお伺いしました。
ありがとうございました。

土居範仁Dr: ありがとうございました。