二見いすず: ドクタートークは、「目の病気」をテーマにお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の土居範仁(どいのりひと)ドクターです。
今週もよろしくお願い致します。

土居範仁Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: これまで4週にわたり、糖尿病網膜症について、お話を伺ってきました。
最終日の今日は、まとめをお願いいたします。

土居範仁Dr: はい。
まず、糖尿病は、初めのうちは全く症状がでない病気であることを知っておいていただきたいと思います。
そして、糖尿病の症状は、まず最初に、目に網膜症として表れることが多いのです。

二見いすず: はい。
つまり、網膜症を発見すれば、糖尿病の発見にもつながるということですね。
一方で、網膜症も初期段階では、自覚症状がほとんどないということでしたよね。

土居範仁Dr: そうです。
しかし、網膜症は進行すると失明にもつながる病気ですから、早期発見・早期治療がとても大切です。
ですから、初期段階の網膜症を見逃さないためにも、糖尿病になったら眼科検診を定期的に受けていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
また、軽い場合は、血糖コントロールで進行予防が可能ということでしたね。

土居範仁Dr: はい。
血糖コントロールは、食事療法、薬物療法、運動療法などを行います。

二見いすず: それから、病気が進行してくるとレーザー治療が必要ということでしたが・・・

土居範仁Dr: はい。
レーザー治療は、悪化して失明をするのを防ぐために、熱で網膜を凝固する治療です。
この治療は、あくまでも悪化して失明するのを防ぐ治療であって、見え方をよくする治療ではないこともご理解いただきたいですね。

二見いすず: よくわかりました。
そして、網膜症が進行し、大出血や網膜はく離などになってしまった場合は、手術を行うということでしたね。

土居範仁Dr: そうです。
硝子体手術といって、さまざまな目の組織の修復を行う複雑な手術です。
この手術が成功しても、視力が十分回復しない場合があることを考えると、網膜症が進行してしまう前に、早期発見することがいかに大切かということがお分かり頂けると思います。

二見いすず: そうですね。

土居範仁Dr: 早期発見・早期治療ができれば、血糖コントロールで見えなくなることを防ぐことができます。
ぜひそこでくい止めてほしいと思います。

二見いすず: 定期的な眼科検診がとても大切ですね。

土居範仁Dr: そうですね。
糖尿病と目の病気の関係を知り、検診で健康状態をチェックしながら、大切な目をずっと守っていただきたいと思います。

二見いすず: よくわかりました。
5週にわたり、糖尿病と目の病気について、鹿児島県医師会の土居範仁(どいのりひと)ドクターにお話をお伺いしました。
貴重なお話をありがとうございました。

土居範仁Dr: ありがとうございました。