二見いすず: 今月は、インフルエンザについて、鹿児島県医師会の西順一郎(にしじゅんいちろう)ドクターにお話を伺います。
西さん、よろしくお願いいたします。

西順一郎Dr: よろしくお願いします。

二見いすず: 昨年は、新型インフルエンザが登場し、大きなニュースになりました。
新型ということで深刻な社会的影響がずいぶん心配されましたが、結果としてどんな傾向がありましたでしょうか。

西順一郎Dr: はい。
昨年は、新型インフルエンザが大流行しました。
特に、小・中・高校、大学などの児童・生徒・学生たちに広がりました。
患者数が多く大きな混乱がみられましたが、結果としては、これまでの季節性インフルエンザと同様に、軽症で済んだ人がほとんどだったと言えます。

二見いすず: そうでしたか。
しかし、一方で、残念なことですが、亡くなられた方もいらっしゃいましたね。

西順一郎Dr: そうですね。
これまでの季節性インフルエンザでは、重症化するのは乳幼児かお年寄りが多かったのですが、昨シーズンはむしろ30代から50代で重症化し、死亡者が見られたことも特徴だと思います。
特に、基礎疾患のない、いわゆる持病のない健康な成人でも、死亡につながったというケースがありました。
また子どもでは、肺炎を合併し急に呼吸状態が悪化するという方もみられ、これはこれまでの季節性インフルエンザではみれれないことでした。

二見いすず: そうでしたね。
昨年の新型インフルエンザは軽症だったという方も、軽く考えてはいけませんね。

西順一郎Dr: その通りです。油断してはいけないと思います。

二見いすず: 今年もやはり、新型インフルエンザは流行するのでしょうか。

西順一郎Dr: はい。
今年のインフルエンザですが、今のところ、季節性のA香港型と新型のAH1N1の混合の流行が予想されています。
また、来年の2月から春先にかけてはB型の流行もあるといわれています。

二見いすず: なるほど。
では、今年のインフルエンザの予防接種のためのワクチンも、その3つのインフルエンザに対応したものとなるのでしょうか。

西順一郎Dr: はい。
今年のワクチンは、A香港型、B型、新型インフルエンザ3つに対応しています。
すでに10月から医療機関で接種がスタートしています。

二見いすず: もう接種がスタートしているのですね。
昨年は、新しいタイプのインフルエンザということで、ワクチンの数が足りないという報道もありましたが、今年はいかがでしょうか。

西順一郎Dr: はい。
今年はワクチンの数は十分に確保されていますので、ご安心ください。
ワクチンは、接種してから2週間くらいで抗体ができ、それから約5ヶ月間は予防効果が期待されています。
接種をお考えの方は、12月ぐらいから流行が予想されますので、ぜひ11月中の接種をおすすめしたいと思います。

二見いすず: 分かりました。
今年も季節性インフルエンザに加えて、昨年に引き続き、新型インフルエンザの流行も予測されているということですので、早めに予防接種をしておきたいものです。
予防接種は10月から始まっているとのことですので、医療機関や保健所などに相談していただきたいと思います。
今週のドクタートークは、鹿児島県医師会の西順一郎ドクターにインフルエンザついてお話を伺いました。
ありがとうございました。

西順一郎Dr: ありがとうございました。