二見いすず: 4月に入りました。
今月は、「子宮頸がん」についてお送りしたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターです。
波多江さん、よろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: まず、「子宮頸がん」とはどういう病気なのでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
「子宮頸がん」は、子宮の入り口である“頸部”に癌ができる病気です。
日本では、毎年、約1万人の女性の方が子宮頸がんと診断されています。

二見いすず: えっ、そんなに…。

波多江正紀Dr: はい。
また、子宮がんは、女性特有のがんでは第5位、死亡原因では8番目となっていて、死亡者は年間2500人にのぼります。

二見いすず: 命にかかわる病気なのですね…。

波多江正紀Dr: そうなんです。
そして、死亡に至らない場合でも、子宮頸がんにかかりますと、子宮の一部分や子宮とその周辺の臓器を手術で摘出しなければならなくなることがあります。
治療の程度によっては、妊娠・出産ができなくなることもありますから、出産を希望している若い女性は特に注意していただきたいと思います。

二見いすず: わかりました。
では、「子宮頸がん」の原因は何でしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
「子宮頸がん」の約85%は、「ヒトパピローマウイルス」というウイルスの感染が原因だと言われています。

二見いすず: 「ヒトパピローマウイルス」の感染が原因なのですね。

波多江正紀Dr: そうです。

二見いすず: このウイルスは、どのように感染していくのでしょうか。

波多江正紀Dr: 「ヒトパピローマウイルス」は、主に性交渉などの粘膜の接触で感染するといわれています。

二見いすず: なるほど。
では、最近の傾向などはありますか?

波多江正紀Dr: はい。
「子宮頸がん」は、これまでは40〜50代の発症率が高かったのですが、最近の傾向として、20代〜30代の女性の発症率が高まっています。
その結果、子宮頸癌の死亡率は最近増加しています。
出産すべき年齢に「子宮頸がん」が発症し、出産能力を失ってしまう場合もあることが、がんで死ぬことと同じくらい大きな問題となっています。

二見いすず: それは大きな問題ですね。
では、来週は「子宮頸がん」について、さらに詳しくうかがいたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。