二見いすず: 今月は、「子宮頸がん」についてお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターです。
波多江さん、今週もよろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願いいたします。

二見いすず: 先週は、「子宮頸がん」の主な原因が「ヒトパピローマウイルス」の感染であること、そして、最悪の場合は死亡につながる場合があることや、若い女性にとっては出産ができなくなる可能性のある怖い病気であることをお話いただきました。

波多江正紀Dr: その通りです。

二見いすず: では、「ヒトパピローマウイルス」は、粘膜の接触によって感染するケースが多い、ということでしたね。

波多江正紀Dr: はい。
「ヒトパピローマウイルス」は、性交渉など、粘膜の接触をすることで感染します。
強い感染力を持つことも特徴で、「子宮頸がん」だけではなく、男女共に「中咽頭がん」や「肛門のがん」などの原因になる場合もあるようです。

二見いすず: なるほど。

波多江正紀Dr: そして、実は、「ヒトパピローマウイルス」への感染は、少し驚かれるかもしれませんが、性交渉経験のある女性の10人に1人は感染しているといわれています。

二見いすず: えっ、そんなに多いのですか。

波多江正紀Dr: そうなんです。
ただし、感染したからといって、すべての方が、子宮頸がんを発症するということはありません。

二見いすず: はい。

波多江正紀Dr: 例えば、1万人いる女性のうち、十分の一、つまり1000人が「ヒトパピローマウイルス」に感染した場合、ほとんどの方が一過性の感染として、ウイルスは消えていきます。

二見いすず: はい。

波多江正紀Dr: 一方で、感染した1000人のうち、100人の方はその後も感染が続きます。
そして、数年間の潜伏期間の後、前がん、つまり、子宮頸がんを発症する前段階になる人が10人、実際に子宮頸がんを発症するのは1〜3人といわれています。

二見いすず: つまり、約1万人のうち、「ヒトパピローマウイルス」に感染し、子宮頸がんを発症するのは1〜3人ということなんですね。

波多江正紀Dr: そうですね。
スエーデンの研究では、このウイルスに感染してなおかつタバコを吸っている方で子宮頸がんになる確率は、27倍になるという数値もでています。

二見いすず: なるほど…。
タバコを吸っていると、発症率が高まるのですね。
注意したいものですね。

波多江正紀Dr: そうですね。

二見いすず: よくわかりました。
今週は、子宮頸がんの主な原因となる「ヒトパピローマウイルス」の感染について詳しく伺いました。
お話は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。