二見いすず: 今月は、「子宮頸がん」についてお送りしています。
お話は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターです。
波多江さん、今週もよろしくお願い致します。

波多江正紀Dr: よろしくお願い致します。

二見いすず: 先週は、「子宮頸がん」の主な原因となる「ヒトパピローマウイルス」の感染について詳しく伺いました。
そして、最近メディア等でよく耳にするのですが、子宮頸がん予防に有効なワクチンがあるそうですね。

波多江正紀Dr: そうなんです。
一般的に“子宮頸がん予防ワクチン”と言われている「HPVワクチン」は、近年世界100カ国以上で普及しており、日本では一昨年の年末に承認されたばかりのワクチンです。
子宮頸がんの主な原因である「ヒトパピローマウイルス」の感染予防に有効であることから、現在日本でも接種が広まっています。

二見いすず: なるほど。
どんな風に有効なのでしょうか。

波多江正紀Dr: 「ヒトパピローマウイルス」には、130種類以上もの種類があり、その中の15種類がハイリスクウイルスと言われています。
直接子宮頸がんに関係するウイルスです。
さらにその中でも、子宮頸がんの原因として重要だとされている16型と18型という2つのウイルスで、この感染予防を行うのが、「HPVワクチン」なのです。

二見いすず: なるほど。

波多江正紀Dr: 「HPVワクチン」は、ワクチン接種を3回にわたり行うことで、70%の「子宮頸がん」を予防できると考えられています。

二見いすず: 予防といいますと、つまり、「ヒトパピローマウイルス」に感染していない人が接種するのが前提ということでしょうか。

波多江正紀Dr: はい。
基本的に「HPVワクチン」は、「ヒトパピローマウイルス」が感染していないことを前提に、予防効果が発揮されると考えてください。

二見いすず: わかりました。

波多江正紀Dr: つまり、「HPVワクチン」は、「ヒトパピローマウイルス」に感染する前、女性が性交渉を経験する前の、若い年齢のときに接種するのが最も効果的なんです。

二見いすず: なるほど。

波多江正紀Dr: 現在、日本でも性交渉の低年齢化が深刻ですから、どの年齢でこの接種を行うかが、議論されているところですが、現在は中学生から高校生くらいまでがいいと考えられています。

二見いすず: はい。

波多江正紀Dr: 現在、「HPVワクチン」の接種は任意で、費用も基本的に自己負担ですが、中学から高校1年生までの女子の希望者には、費用の補助を行う地方自治体も増えています。
平成23年度は、鹿児島県内のほとんどの地方自治体が費用の補助を検討しているようです。
詳しくは、お住まいの地域の自治体へおたずねください。
(鹿児島市では既に2月から実施されている。)

二見いすず: よくわかりました。
お話は、鹿児島県医師会の波多江正紀(はたえまさゆき)ドクターでした。
ありがとうございました。

波多江正紀Dr: ありがとうございました。