2011.5.7 第418回放送分『高脂血症』 ゲスト:瀬戸山史郎ドクター



二見いすず: 5月になりました。
今月は、「高脂血症」についてお送りします。
お話は、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターにお話を伺います。
瀬戸山さん、よろしくお願い致します。


瀬戸山史郎Dr: よろしくお願い致します。
二見いすず: ではまず、「高脂血症」とは、どのような症状のことを言うのでしょうか。
瀬戸山史郎Dr: はい。
「高脂血症」は、血液中のコレステロールや中性脂肪が過剰に増えた状態のことを言います。
二見いすず: はい。
瀬戸山史郎Dr: もともと、コレステロールは、人間の血液中に必要なもので、細胞の膜成分としてもまた各ステロイドホルモンの材料になります。
また、中性脂肪は、エネルギーの貯蔵をしたり、体に大切な役割を果たしたりするものですが、必要以上に増加すると、健康に悪影響を与えるのです。
二見いすず: なるほど。
では、中性脂肪やコレステロールが過剰に増えすぎると、どんな病気につながるのでしょうか。
瀬戸山史郎Dr: はい。
糖尿病、高血圧などと合併すると、動脈硬化につながります。
二見いすず: 動脈硬化につながるということは・・・
瀬戸山史郎Dr: はい。
動脈硬化は、虚血性心疾患、つまり、狭心症や心筋梗塞、そして、脳血管障害、つまり、脳卒中や脳梗塞、脳血栓、脳出血、クモ膜下出血と、命に関わる重篤な病気の原因となります。

二見いすず: なるほど。
つまり、「高脂血症」は、命に関わる病気につながる、怖い症状といえるのですね。
瀬戸山史郎Dr: その通りです。
二見いすず: 「高脂血症」には、どのくらいの方がかかっているのでしょうか。
瀬戸山史郎Dr: はい。
わが国では、約3000万人の方が、「高脂血症」であると言われています。

二見いすず: 3000万人ですか。
それは、かなりの数ですね。
瀬戸山史郎Dr: そうですね。
鹿児島県の調査によりますと、40代では約40%、50代、60代では、50%に近い方が、「高脂血症」であるという結果も出ています。
二見いすず: 50〜60代は、半数近くの方が、「高脂血症」にかかっているとは、ショッキングな数字です。
瀬戸山史郎Dr: その通りです。
これは、過去の調査に比べても、増加する傾向にあります。
要因としては、食生活の乱れ、運動不足などが挙げられます。
中高年の約半数の方が「高脂血症」ということですから、決して他人事ではありません。
動脈硬化など、命に関わる病気につながりますから、多くの方に、この病気のことをもっと認識していただきたいと思います。

二見いすず: よく分かりました。
来週は、さらに詳しく「高脂血症」について伺いたいと思います。
お話は、鹿児島県医師会の瀬戸山史郎(せとやましろう)ドクターでした。
ありがとうございました。
瀬戸山史郎Dr: ありがとうございました。